2017年04月09日 ル・プランタン賞(GDJ)
優勝馬:スターレーン
プロフィール
- 生年月日
- 2014年03月09日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:13戦4勝
- 総収得賞金
- 20,221,000円
- 馬主
- 須田 靖之
- 生産者
- 明治牧場 (三石)
- 調教師
- 松浦 聡志
- 騎手
- 岡部 誠
『グランダム・ジャパン2017』3歳シーズンの第3戦「ル・プランタン賞(佐賀)」を、兵庫からの遠征馬スターレーンが差し切り勝ち。大外スタートから道中は中団に待機して3~4コーナーで徐々にポジションを上げ、先に抜け出していたオヒナサマをゴール前できっちり捕える完勝。2歳6月の門別デビューから13戦目にして嬉しい重賞初勝利を飾った。
スターレーンの生まれ故郷は、新ひだか町三石の明治牧場。2歳時からグランダム・ジャパンシリーズで活躍をつづけるジュエルクイーンのふるさととして、このコーナーで幾度も紹介してきたオーナーブリーダーだ。
★2014年 ラブミーチャン記念優勝レポート(https://uma-furusato.com/winner_info/detail/_id_79318)
★2015年 若草賞優勝レポート(https://uma-furusato.com/winner_info/detail/_id_80815)
★2016年 ビューチフル・ドリーマーC優勝レポート(https://uma-furusato.com/winner_info/detail/_id_86471)
スターレーンも北海道在籍時はオーナーブリーディングホースとして6戦2勝の戦績を収めたが、2歳秋、現オーナーとの売買が成立して兵庫へ移籍。移籍初戦は見事に勝利で飾ったものの、その後は5戦連続して2着と惜敗がつづいていた。
「オーナーが変わって兵庫へ移籍したあとも、スターレーンの動向は気にしていたんですよ。重賞で惜しいレースがつづいていましたが、ようやく勝ててホッとしました」と話すのは、明治牧場の場長・柳沢末治さん。「母のアリーペデも短い距離で活躍した馬だったので、距離延びて結果が出たのは意外でした」とル・プランタン賞の差し切り勝ちを振り返る。
スターレーンが牧場で過ごした時期について伺うと、「馬体は小ぶりでしたが、そのぶん身のこなしが軽く、放牧地でも良い動きをしていました」と教えてくれた。1歳秋まで牧場で健康に育ち、育成のために門別競馬場の田中淳司厩舎へと巣立って行ったそうだ。
そもそもこの血統は、スターレーンの祖母ビューティトゥペトリオロ(愛国産)を明治牧場が繁殖牝馬として導入したことが起源となる。「祖母のビューティトゥペトリオロはイタリアのマイル重賞を勝ったこともあるスピード馬でしたが、非常に気難しい面があり、仔育てをまったくしてくれなかったんです。アリーペデもその気性を受け継いでいたので心配したのですが、母となってからはしっかりと仔の面倒を見てくれるので安心しました」と話す。そのアリーペデも現在は明治牧場を離れ、同じ町内の沼田照秋さんの牧場で繋養されている。「集牧のときは自ら仔を迎えに行くなど、仔育てはとても上手な馬ですよ」と沼田さんもアリーペデの母親ぶりには太鼓判を押す。
スターレーンはスマートファルコンの初年度産駒として2014年に誕生したが、実はこのル・プランタン賞が父スマートファルコンにとっての記念すべき産駒初重賞勝利となった。「母のアリーペデが南関東のダート短距離で6勝したスピード馬でしたから、その特性をさらに伸ばすためにスマートファルコンを配合しました」と柳沢場長。今年4月12日、アリーペデは沼田照秋さんの牧場で元気な牡馬を出産したが、その父はヴァーミリアン。スマートファルコン同様、ダート競馬の一時代を築いたヴァーミリアンに父が変わり、スターレーンの半弟が今後どのように成長していくかも楽しみだ。
「ジュエルクイーンはグランダム・ジャパンの2歳チャンピオンになりましたが、スターレーンもこのまま3歳チャンピオンになれるといいですね。引きつづき応援しています」とエールを送る柳沢場長。晴れてチャンピオンとなったその先には、スターホースへ駆け上がるレーンがしっかりと引かれているはずだ。