牧場見学ガイド

牧場見学にあたって

案内所からのメッセージ

馬産地を訪れるなら、あらかじめ馬産地について知っておくことが大切です。馬を扱う牧場には、特有の生活リズムや、守るべきルール、繁忙期などがありますので、知らずに現地入りしてしまうと、厚意で見学させてくれている牧場に、多大な迷惑をかけてしまうことも十分に考えられます。以下に馬産地の基本的な知識をいくつか挙げましたので、必ずご一読のうえ牧場へとお出かけください。また、牧場内は静かに馬を見るだけで特別な案内等ありませんのでご注意下さい。

馬産地の基礎知識

種牡馬ってなに?

種牡馬(しゅぼば)とは、繁殖牝馬に種付け(交配)することを仕事としている牡馬のことです。種牡馬は、現役時代に非常に優れた競走成績を残したり、優秀な血統をもつ馬たちばかり。ちなみに中央競馬などでは毎年数千頭の競走馬がデビューしますが、そのなかで引退後に、種牡馬となれる馬は年に数頭しかいません。種牡馬はそれほど貴重な選ばれた存在なのです。

種牡馬の価値は高額

種牡馬は非常に高額で、数千万円から数十億円の価値をもった馬も少なくありません。種牡馬は関係者の大切な私有財産であり、種付けによって多くのホースマンたちの暮らしを支えています。もし、見学者が原因で種牡馬に損害を与えてしまった場合、賠償金額が数千万円になることも十分に考えられます。見学の際は、種牡馬を刺激しないよう、細心の注意が必要です。

2月~7月は種付けシーズン

種牡馬の仕事は種付けです。種付けシーズンは毎年2月頃から7月頃までで、この時期は種牡馬はもちろん、牧場スタッフも非常に忙しく、人馬ともに神経がピリピリしています。ですからこの期間に牧場を見学する場合は要注意。普段は見学可能な馬でも、突然見学できなくなることもありえます。お出かけの際は、ふるさと案内所に連絡し、確認すれば確実です。

繁殖牝馬ってなに?

繁殖牝馬(はんしょくひんば)とは、仔馬を産むことを仕事としている牝馬のことです。繁殖牝馬は通常の場合、1年に1頭の仔馬を産むことで牧場関係者の生活を直接支えています。牧場によっては、自分の牧場が所有している繁殖牝馬だけではなく、他人名義の高額な繁殖牝馬を預かっているケースも多いため、部外者の訪問に対してはナーバスにならざるをえないのです。

1月~6月出産シーズン

繁殖牝馬の出産シーズンは1月から6月頃。仔馬を出産したあとは、また次の年にむけて種付けが行われます。種付けが終わっても、今度は無事に受胎が確認され、安定するまで牧場スタッフは気が抜けません。このように繁殖牝馬の世話は1年を通して大変な仕事。繁殖牝馬を繋養する牧場が、見学不可になっていることが多いのは、こうしたやむを得ない事情があるからです。

馬は生き物

馬は元来、速く走ることによって敵から身を守ってきた臆病で敏感な草食動物です。危険を察知する能力は人間よりはるかに高く、広い視野と、鋭い聴覚をもっています。ですから見学者が大きな声で笑ったり、子供が急に走り出したり、雨傘を開いたりするような動作に対して、驚いてパニック状態に陥り、暴れ出すようなことも十分考えられます。見学の際には注意が必要です。

牧場の朝は早い

牧場の一日は、一般的に、朝5時ごろに馬を放牧地に出すことから始まります。そのあと、午前中は厩舎内の掃除や、藁の入れ替えといった作業。午前11時~午後1時30分頃までは昼休み。午後は厩舎外作業や、馬を厩舎に入れる作業をします。見学者に注意したいのが昼休み。この時間帯は朝の早い牧場スタッフにとって、貴重な仮眠タイムです。電話や訪問は控えてください。

競走馬のふるさと案内所では、見学馬産地のルールとマナーについて詳しく紹介した資料を差し上げています。
ご希望の方は、日高案内所までお問い合せください。