重賞ウィナーレポート

2016年08月28日 ビューチフル・ドリーマーC(GDJ)

2016年08月28日 水沢競馬場 曇 重 ダ 1900m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ジュエルクイーン

プロフィール

生年月日
2012年04月17日 04歳
性別/毛色
牝/青鹿毛
戦績
国内:26戦7勝
総収得賞金
60,465,000円
キンシャサノキセキ(AUS)
母 (母父)
プラチナローズ  by  クロフネ(USA)
馬主
杉山 忠国
生産者
明治牧場 (三石)
調教師
田中 正二
騎手
吉原 寛人
  • ジュエルクイーンの母プラチナローズ(13歳)
    ジュエルクイーンの母プラチナローズ(13歳)
  • プラチナローズはこれまでに5頭の仔を明治牧場で生んでいる
    プラチナローズはこれまでに5頭の仔を明治牧場で生んでいる
  • ジュエルクイーンの祖母スギノキューティー(21歳)
    ジュエルクイーンの祖母スギノキューティー(21歳)
  • スギノキューティーはキズナの仔を受胎中
    スギノキューティーはキズナの仔を受胎中
  • 今年生まれたスギノキューティーの当歳馬(牝、父ブラックタイド)
    今年生まれたスギノキューティーの当歳馬(牝、父ブラックタイド)
  • 明治牧場の放牧地
    明治牧場の放牧地
  • 明治牧場の厩舎
    明治牧場の厩舎
  • 明治牧場の看板
    明治牧場の看板

 『グランダム・ジャパン2016』古馬シーズンの第6戦は、水沢競馬場が舞台の「ビューチフルドリーマーカップ」。北海道から2頭、南関東から1頭の遠征馬を、地元勢7頭が迎え撃つ10頭立てとなったが、優勝したのは北海道からの遠征馬ジュエルクイーン。4コーナーで早くも先頭に立つと、追いすがるタイムビヨンドを振り落とし、ユッコの猛追もしのぎ切って半馬身差のゴールイン。「ノースクイーンカップ」2着、「ブリーダーズゴールドカップ(Jpn3)」4着と地元・門別で悔しいレースがつづいたが、遠征先の水沢でその雪辱を見事に果たした。

 ジュエルクイーンの生まれ故郷は、新ひだか町三石の明治牧場。黄色い看板と黄色い厩舎がひと際目を引く、オーナーブリーダーの生産牧場だ。

 ジュエルクイーンは『グランダム・ジャパン2014』2歳シーズンのチャンピオンに輝き、『グランダム・ジャパン2015』3歳シーズンの初戦にも勝利している。牧場の紹介や幼少期の話はその際のレポートを参考にしていただくとして、今回は『グランダム・ジャパン2016』古馬シーズン3戦の感想と、母プラチナローズ、祖母スギノキューティーの近況について伺ってきた。

(以下、各レポートへリンク)
●『グランダム・ジャパン2014』2歳シーズン「ラブミーチャン記念」優勝時レポート
https://uma-furusato.com/winner_info/detail/_id_79318 

●『グランダム・ジャパン2015』3歳シーズン「若草賞」優勝時レポート
https://uma-furusato.com/winner_info/detail/_id_80815 

 「ジュエルクイーンが門別競馬場で重賞を走る時には、できるだけスタッフみんなで応援に行くようにしているんです。ノースクイーンカップはタイムビヨンドに差されましたが、積極的に勝ちに行く良いレースだったと思います。ブリーダーズゴールドカップも、強い中央馬相手に直線見せ場を作ってくれましたもんね。地方馬最先着の4着でしたし、よく頑張ったと思います」と地元の2戦を振り返るのは、明治牧場の柳沢末治場長。

 一方、優勝したビューチフルドリーマーカップについては、「3歳時に岩手へ遠征した時には馬体が大きく減ってしまったんですが、今回はマイナス4kgで出走でき、力を存分に発揮できましたね。若い時期から遠征を重ねてきた経験が活きたのだと思います」と、逞しく成長した愛馬を褒め称える。

 明治牧場では、ジュエルクイーンの母プラチナローズ、祖母スギノキューティーともに、現役で繁殖生活をつづけている。「母のプラチナローズは今年、ロードカナロア、ゴールドアリュール、スマートファルコンと種牡馬を変えて交配を試みたのですが、残念ながらいずれも不受胎でした。祖母のスギノキューティーは、キズナの仔を受胎しています」と紹介。スギノキューティーは今年で21歳になったが、馬体の張りに衰えは一切感じられず、仔出しも歳を取ってより良くなってきたそうだ。今春は父ブラックタイドの牝馬を生み、1ヶ月ほど前に離乳したばかりだという。「スギノキューティーの当歳馬は牝馬のわりにしっかりとした馬体をしており、性格もとても落ち着いています」と、柳沢場長も良血馬の未来に夢を膨らませている。

 「ジュエルクイーンには、これからも怪我なく無事に競走生活を送ってほしいですね。そして将来は繁殖牝馬として牧場に戻ってきてくれるでしょうが、サンデーサイレンスが3代父となりますので、交配の楽しみも膨らみます」と、オーナーブリーダーの生産牧場らしいコメントを寄せてくれた。“幸せの黄色い厩舎”を舞台に、代々つながれていく牝馬の物語。そのつづきが、待ち遠しくなる。