馬産地見学ガイドツアーレポート[ツアー2日目]
ツアー2日目:昨晩の懇親会ですっかり打ち解けた参加者達、
今日は約10箇所もの見学地が待っています。
2009年10月10日
BTC JRA日高育成牧場
ツアー2日目は7時前にAERUを出発と早いスタートでしたが、これも東洋一の競走馬育成施設と言われるBTC(財団法人軽種馬育成調教センター)での施設見学と、早朝から始まっている調教を見学させてもらうためです。
バスにはBTC日高事業所の川島次長に同乗していただき、総面積1500ヘクタールという広大な施設を案内。中央競馬のコースに倣ったという1週1600 メートルのダートコースや、全長2400メートルのグラス坂路馬場を見学した参加者からは「凄い」と驚嘆する声も漏れていました。
グラス走路や屋内直線馬場では、BTCを利用する育成牧場の調教も行われており、屋内直線馬場のゴール地点から調教を見ていた参加者は、場内に電光掲示される走破時計やラップタイムが記録されていくパソコンなどの施設を興味深そうに眺めていました。
JRAウインズ静内
JBBA静内種馬場
世界的名馬の繋養でその名を轟かせているJBBA静内種馬場では5頭の種牡馬を見学させてもらいました。アルデバラン、ケイムホームと世界の名馬が登場した後に姿を見せたのが、多くの種牡馬の父として、世界に血統の枝葉を広げているフォーティナイナー。種牡馬説明をしてくれていた遊佐種馬課長からは、「以前の迫力こそ無くなりましたが、とても元気に過ごしています」との話がありました。
この後、デビッドジュニアについで姿を見せたのが静内産の皐月賞馬であるイシノサンデー。実はこれが初めての静内種馬場での繋養とのことで、「環境が合っているのか一際元気ですね」との遊佐種馬課長の言葉に応えるように、元気に参加者の前を闊歩していました。
ビッグレッドファーム
日高を代表する総合牧場(生産、育成、スタリオン)であるビッグレッドファーム。ちょうど昼食時間だったこともあって、新冠温泉レ・コードの湯のシェフが作った豚汁や地元野菜を使ったカレー、そして旬のトウモロコシなどが振る舞われました。食事にはビッグレッドファームのスタッフだけでなく、ラフィアンの岡田代表も席に着き、参加者との交流を深めていました。
食事会場となったケイバクラブの外には、天皇賞・秋出走を控えたコスモバルクが登場するサプライズも。現役馬の凛々しい姿は、これまで見学してきた馬たちともまた違って見えたことでしょう。
この後は種牡馬厩舎に出向いての見学と、アグネスデジタルの展示が行われました。帰り際、岡田代表からは「今度は調教風景も見に来てください」との挨拶がありましたが、参加者の誰もがまた来たいと思ったに違いありません。
優駿スタリオンステーション
普段は見学のできないスタリオンということもあって、参加者からも行ってみたいとリクエストの多かった優駿スタリオンステーション。マヤノトップガンやマーベラスサンデーといったベテラン種牡馬。そしてソングオブウインドやキングヘイローといったファンの支持も高い種牡馬が現れる中、一際、注目を集めていたのがオグリキャップでした。
「オグリキャップの体調も良く、また機嫌もいいようなので、皆さん一緒に記念撮影してください」とのスタッフの声に、参加者からは「本当にいいんですか?」との声も上がる中、5人ほどのグループで順番に写真に収まっていきます。参加者全員でオグリキャップを囲んでの集合写真も撮らせていただきました。帰り際には「オグリ、元気でね」と声をかける参加者もいましたが、きっとその声はオグリキャップに届いたことでしょう。
アロースタッド
ツアー参加者の中からも幾度となく見学に訪れたことがあるとの声も聞かれていたアロースタッド。スズカマンボを先頭に、サウスヴィグラス、フサイチリシャール、ブライアンズタイムが次々と展示されていきます。
スズカフェニックスを厩舎から連れてきた今野主任が、「せっかくだから一緒に写ってよ」と笑顔で声をかけてきます。突然のことにびっくりする参加者でしたが、一人、また一人とスズカフェニックスとツーショットでの撮影が始まり、最後には参加者全員での集合写真となります。
すると、展示を待ちわびたバランスオブゲームも現れ、最終的には2頭の種牡馬を囲んでという、大変にゴージャスな集合写真が撮影されました。
展示の後は馬房にいる種牡馬をじっくりと眺める参加者の皆さん。何度もアロースタッドに足を運んでいても、ここまでの経験はなかったのではないでしょうか。
レックススタッド
ツアー2日目における最後の牧場見学地となったレックススタッドでは6頭の種牡馬を展示してもらいました。
ベテラン種牡馬のジェニュインが悠然と現れると、カルストンライトオ、サクラチトセオー、ヒシミラクル、テレグノシス、ザッツザプレンティと現役時の勇姿が記憶に残る名馬たちが、厩舎から連れられてきます。
まるでファッションショーのように種牡馬たちは決められた場所で立ち止まり、スタッフの指示に答えてポーズを決めるとツアー参加者は一斉にカメラを構えていました。
展示の後には厩舎見学も行われ、参加者はお目当ての種牡馬がいる馬房へと向かっていきます。その時、一緒に展示を眺めていた野生のリスも種牡馬を見たくなったのか、厩舎の周りをしきりに動き回っていました。
JBBA北海道市場
市場開催期間中は見学もできるJBBA北海道市場ですが、なかなか馬産地観光と時間を合わせて見学に来ることは難しいかもしれません。
馬産地観光に足繁く来られているという参加者のほとんどが、これが初めての市場見学。まず、誰もが足を止めたのが、壁に立てかけられたパネルに写る市場取引馬の名前。テイエムオペラオー、セイウンワンダー、キストゥヘヴンなど、数多くの重賞勝馬がこの市場で取引された馬であることに興味深く見入っていました。
市場内には実際のセリと同様に電光掲示板も点灯され、馬主席に座った参加者たちは、馬主気分を味わうと共に、これから始まるチャリティーオークションへの期待をふくらませているようでした。(チャリティーオークションの詳細はこちら)
競走馬のふるさと日高案内所
馬産地見学の前には必ず足を運びたい場所であるのが、競走馬のふるさと案内所。スタッフの方に見学をしたい馬の案内をしてもらえるだけとお思いかもしれませんが、館内には馬産地見学に関する資料だけでなく、競馬雑誌や競馬にまつわる本、はたまた新ひだか町の宿泊施設やグルメ情報まで、様々な資料を手にすることができます。
何度も来たことがあるという参加者たちも、改めてパソコンで見学したい馬の検索を行ったり、分厚い資料をテーブルに持って行って興味深く目を通す光景も見られました。
お目当ての馬の情報だけを得てすぐに移動してしまう方も多い競走馬のふるさと案内所ですが、競馬好きなら長居のできる場所でもあります。今回の見学で新たな魅力や楽しみ方に気付いたという人もきっと多いことでしょう。
静内ウエリントンホテル
ツアー2日目の宿となった静内ウェリントンホテルは、新ひだか町を代表する名門ホテル。市場開催日や観光シーズンには満室になることも多い人気のホテルです。
この日の夕食は各自フリーとのことで、ツアーで意気投合した仲間と街に出たり新冠にあるレ・コードの湯で温泉に浸かってから夕食をとられる方など、馬産地の夜をそれぞれが楽しんでいました。
ツアー参加者と一緒に競馬の話ができればという牧場スタッフの呼びかけには、ホテルのロビーに10名を超える人数が集まりました。立ち寄った居酒屋では夜の12時近くまで競馬について熱いトークが繰り広げられていたそうです。