2009秋の北海道馬産地見学ガイドツアー 現地取材レポート

馬産地見学ガイドツアーレポート[ツアー3日目]

ツアー3日目:あっという間に最終日。
たくさんおお土産を抱えて今日は一気に千歳方面へと横断します。

2009年10月11日

HBA門別種馬場


テイエムオペラオーの放牧地へ入れてもらえた(他全8枚)

ツアー3日目の最初の見学地は日高軽種馬農業協同組合門別種馬場。ここには世界の賞金王となったテイエムオペラオーが繋養されています。

バスを降りた参加者は、あっという間にテイエムオペラオーの放牧地の周りを取り囲みますが、その光景を見たスタッフの方がテイエムオペラオーの手綱を取ると、「放牧地の中に入っていいよ」と声をかけてくれます。普段ならあり得ないことに全員が喜々として放牧地へと入り、手を伸ばせば届く距離でシャッターを切り続けていました。

HBA門別種馬場の山口場長は、トウショウボーイが種牡馬として繋養されていた頃に接していたことがあり、その時の想い出を聞かれては懐かしそうに振り返っていました。

また敷地の奥にあるゴーカイ、ダイタクヤマトといったG1馬たちの放牧地も賑わいを見せ、バスの出発時間ぎりぎりまで見学を楽しんでいました。

ブリーダーズスタリオンステーション


BSS到着(他全16枚)

ブリーダーズ・スタリオン・ステーションは、馬産地観光に訪れる競馬ファンにも人気のあるスタリオン。この日はスタッフが引率する形で、放牧地に繋養される種牡馬を案内してくれました。

フサイチコンコルド、バブルガムフェロー、アフリートなど、リーディングサイアー上位馬も興味深げにこちらを見守る中、参加者の足が止まったのがグラスワンダーの放牧地と、ステイゴールドの放牧地。

グラスワンダーはスタッフの方が放牧地へと入り柵のすぐ近くまで引っ張ってきてくれましたが、ステイゴールドは「凶暴ですからねえ」とスタッフの方は苦笑いを浮かべます。それでも何とか興味を引かせて近い場所へと連れてきてくれました。タップダンスシチーもその光景に気付いたのか、放牧地に参加者がやってきた時には自ら歩を向けてきてくれました。

シンボリ牧場


シンボリルドルフがお出迎え(他全14枚)

馬産地に来ても見学できない名馬は数多くいますが、その代表的な存在がシンボリ牧場で繋養されているシンボリルドルフ。

今回のツアーではそのシンボリルドルフに会えるかもしれないということで参加された方も多く、シンボリルドルフが姿を見せた時には、感動のあまり涙ぐむ参加者も見られました。

「今でも食欲が落ちていませんし、内蔵も健康です。長生きしてくれると思いますよ」

との畠山場長の言葉の後、シンボリルドルフを囲んでの撮影会が行われることに。参加者はどこか緊張した面持ちを浮かべながらカメラに収まっていきます。

帰る間際には畠山場長からシンボリルドルフのたてがみが参加者に渡され、誰もが大事そうにしまっていました。

ダーレー・ジャパン スタリオンコンプレックス


展示形式での見学(他全20枚)

日本でありながら、美観の整えられた厩舎やスタリオン施設など、この場所が日本では無いような気がしてくるダーレージャパン・スタリオン・コンプレックス。

実際に繋養されている種牡馬も世界基準であり、ストーミングホーム、アルカセット、ザール、ファンタスティックライト、ルールオブローと国際G1レースの勝ち馬が並びます。

このラインナップに入っても引けを取らないのが、今年から繋養されたディープスカイとアドマイヤムーン。特についこの間までターフを沸かせていたディープスカイが厩舎から登場した時には、(馬を驚かせないようにと遠慮ぎみではあるものの)「わっ!」と言う歓声も起こりました。

帰りには種牡馬パンフレットなどのグッズも手渡され、参加者の誰もが大事そうにバスへと持ち帰っていました。

ノーザンホースパーク


食事会場に到着直前に施設が落雷で停電するアクシデント(他全4枚)

新千歳空港と近く、直通バスも出ているなど、馬産地観光の窓口ともなっているのがノーザンホースパーク。ツアー3日目の昼食はここで取ることとなりましたが、滞在時間を1時間以上取っているということで、昼食の前に繋養馬の見学に出かける参加者も見られました。

馬房の中にはダイナガリバーやトウカイポイントの姿があり、また、今年からノーザンホースパークにやってきたデルタブルースは馬房の窓から顔をのぞかせます。

ノーザンファームの歴史が刻まれたホースギャラリーを興味深く眺めたり、売店でおみやげを購入したりとしているうちに滞在時間はあっという間に過ぎていきました。

社台スタリオンステーション


まずはトウカイテイオーから展示形式でスタート(他全31枚)

社台スタリオンステーションには、日本競馬界の中核を担っている種牡馬たちがずらりと勢揃い。さすがにその全てを見せてもらうには時間が足りなかったのですが、トウカイテイオーからディープインパクトまでの16頭を、事務局の徳武さんの説明を交えながら紹介してもらいました。

「馬に対しては強いが、人にはやさしい」というスペシャルウィーク。「サンデーサイレンス系種牡馬の中でも、一番サンデーサイレンスに近い」というネオユニヴァース。「最近になって、心身ともに種牡馬らしくなってきた」というディープインパクトなど、徳武さんの話す種牡馬のエピソードに誰もが興味深く聞き入り、カメラを構えることさえ忘れているようでした。

1時間の滞在があっという間だったと思えたほどでしたが、参加者にとってはかけがえのない時間だったに違いありません。

ノーザンファーム


ディープインパクトの当歳馬を展示してもらえた(他全7枚)

ツアー3日間のトリを飾るのは、ディープインパクトやブエナビスタなど、日本競馬史に数々の名馬を送り出してきたノーザンファーム。バスに乗り込んでくれた中尾事務局長は、軽妙なマイクで参加者を笑わせながら場内を案内してくれます。

特別な計らいで、現在繋養されているディープインパクトの当歳馬も見せてもらえることに。また、バスはノーザンファームの育成調教のメイン施設でもある屋内直線坂路の頂上へも向かい、そこで降り立った参加者は、スケールの大きさに圧倒されていました。

中尾事務局長はディープインパクトが産まれて牧場から送り出すまでの話や、セレクトセールの話など、多岐に渡って競馬やノーザンファームにまつわる話をしてくれます。最後の挨拶をし終えた時には、参加者から大きな拍手も起こっていました。