世代別牝馬重賞シリーズ GRANDAME-JAPAN 優勝馬のふるさとを訪ねて ロジータふたたび。

「GRANDAME-JAPAN(グランダム・ジャパン)」とは、牝馬競走の振興と牝馬の入厩促進を目的として、地方競馬が行っている世代別牝馬重賞シリーズ。2010年にスタートし、今年で3年目を迎える。

全国の地方競馬で行われる牝馬重賞を、「2歳シーズン」「3歳シーズン」「古馬シーズン」と3つの世代に分けてシリーズ化し、その競走成績によりポイントを付与。ポイント獲得上位馬の馬主、調教師に対し、社台スタリオンステーション、一般社団法人ジャパンブリーダーズカップ協会、日高軽種馬農業協同組合の協賛団体から、公益社団法人日本軽種馬協会を通じてボーナス賞金が授与される牝馬限定のシリーズ競走である。

将来は母となり、次世代の競馬を担っていく牝馬に関心を集め、その価値を高めていく効果が望めるこのシリーズ競走は、競走馬の生産者をはじめ、競馬界全体にとって大きな意味を持つ試みである。

かつて地方競馬で大活躍したロジータが母となり、シスターソノ(阪神3歳牝馬S(G1)で1番人気)、オースミサンデー(弥生賞(G2)2着)、イブキガバメント(朝日チャレンジC(G3)優勝、鳴尾記念(G3)優勝)、カネツフルーヴ(帝王賞(G1)優勝、川崎記念(G1)優勝、ダイオライト記念(G2)優勝、オグリキャップ記念(G2)優勝)らの活躍馬を産み、また仔のシスターソノが現役引退後に母となってレギュラーメンバー(ダービーグランプリ(G1)優勝、川崎記念(G1)優勝、JBCクラシック(G1)優勝)を産み出すなど、生産を背景とした牝馬による枝葉の広がりは、見方によっては日本競馬の歴史そのものなのである。

近年は、中央競馬でもウオッカやダイワスカーレット、ブエナビスタ、カレンチャンなどに代表される牝馬が牡馬に勝る活躍を見せているほか、世界の競馬を見渡しても、ゼニヤッタ(米)、ゴルディコヴァ(仏)、ブラックキャヴィア(豪)といった牝馬が話題を一手にさらっている。地方競馬も例に漏れず、牡馬と互角以上に戦えるラブミーチャン(笠松)やクラーベセクレタ(船橋)といったヒロインが誕生してきた。

その世界的な波に乗るようにスタートした地方競馬の世代別牝馬重賞シリーズ「GRANDAME-JAPAN(グランダム・ジャパン)」。“ロジータふたたび”を合言葉に、血統のロマンや競馬の奥深さを改めて感じさせてくれるシリーズ競走として、関係者やファンから大きな注目を集めている。