2013秋 北海道馬産地見学ガイドツアー 現地取材レポート

馬産地見学ガイドツアーレポート[ツアー3日目]

ツアー3日目:本ツアーで初めて見学の牧場も含め、胆振地域の牧場を見学しました。

2013年9月28日

追分ファーム


3日目は追分ファームからスタート
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ツアー最終日は雲一つない晴天に恵まれ、気持ちの良い朝となりました。胆振地区中心となるコースにつき、胆振連絡センターの高橋啓太職員が添乗して案内役を務めました。また、馬産地ライターの村本浩平さん、フリーアナウンサーの坂田博昭さんもツアーを盛り上げるべく、参加者と一緒に同行しました。

最初に訪れた追分ファームは社台グループの牧場として最も新しく、1995年開場の本場、2008年開場の春日分場、2011年開場の追分ファーム リリーバレーと複数の拠点を構えます。現役生産馬には天皇賞馬フェノーメノをはじめ、ダート戦線で猛威を振るうゴールスキー、メーデイアら粒ぞろいです。まずは本場にて追分ファームゆかりの血統馬が展示されました。シックスセンスの母デインスカヤ、ハットトリックの母トリッキーコード、ゴールドアリュールの母ニキーヤと、優秀な繁殖成績を残している母馬が次々に登場。フェノーメノの母ディラローシェは父ディープインパクトの牝馬、メーデイアの母ウィッチフルシンキングは父ゼンノロブロイの牡馬を連れ立って母仔展示となりました。その後はマイルCS南部杯(Jpn1)の勝ち馬オーロマイスターと対面が叶い、班ごとに記念写真を撮りました。

場所を移動して春日分場では桜の女王レジネッタがお出まし。引退後、2頭の牡馬を無事出産し、母馬らしくなった姿で参加者を迎えました。ある女性参加者は「見学した中で一番可愛かったです」と、すっかり惚れ込んでいました。

最後に訪れた追分ファーム リリーバレーでは全長1,020m、高低差36.8mの全天候型坂路コースへ。牧場の計らいで頂上にある事務所のルームから2・3歳馬の調教を見学できました。その後は実際のコースに降り、ウッドチップを踏みしめながら全員で記念写真を撮りました。男性参加者の一人は「人生で初めて坂路コースに入りました。スケールの大きさに驚くばかりでした。馬を鍛えるために、様々な施設を活用しているのですね」と、興味津々の様子でした。

ノーザンホースパーク


懐かしい名馬との再会も果たしました
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昼食時となり、一行が立ち寄ったのは苫小牧市にあるノーザンホースパーク。連日いくつもの大型バスが出入りするスポットで、北海道外の修学旅行生や国内外から観光客、ブライダルの方々でにぎわいます。K’sガーデンで美味しいランチを食べた後は自由行動となり、参加者のほとんどが園内の厩舎へと足を運びました。そこには元種牡馬のアドマイヤジュピタやバランスオブゲーム、フサイチホウオー、馬術大会に出場経験のあるトウカイポイント、デルタブルース、入厩してまもないインティライミ、フォゲッタブルらがおり、馬房でのんびりモードの彼らに参加者は優しく声をかけていました。12時30分からは同園で人気の「HAPPY ポニーショー」が始まり、ポニートレーナーの佐藤ひささんとポニーたちによる可愛らしい演技が披露されました。出発時間の関係で途中までしか見学できませんでしたが、ポニーたちのジャンピングや賢い動作に、参加者は惜しみない拍手を送っていました。

社台スタリオンステーション


大トリを飾ったのは英雄ディープインパクト
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リーディングサイアーランキング上位種牡馬を擁する社台スタリオンステーションでは、本ツアーで最多の17頭が展示されました。今年も社台スタリオンステーション事務局の三輪圭祐さんが解説を務め、個々の種牡馬の近況や特徴、産駒の傾向、今後の期待についてわかりやすく伝えました。クロフネの登場を皮切りに、本ツアー初登場の新種牡馬ルーラーシップが続き、ヴァーミリアン、カジノドライヴ、スマートファルコン、ドリームジャーニー、ハービンジャー、ワークフォースと前半は主に若手種牡馬がお目見えしました。どの馬も素晴らしい競走成績をひっさげ、見栄えのする馬体で参加者を見渡していました。後半はダービー馬メイショウサムソンからダイワメジャー、ハーツクライ、カンパニー、タニノギムレットと内国産ビッグネームのオンパレード。ドバイワールドC(G1)を制したヴィクトワールピサは、父ネオユニヴァースと共に展示馬を務めました。同じく後継種牡馬にも勢いがあるキングカメハメハ、ディープインパクトが最後の締めくくりを飾り、日本を代表する種牡馬の登場に、これまでにない緊張感すら漂いました。参加者の熱い眼差しやカメラ撮影に応えるように、チャンピオンホースは威風堂々とポーズを決めていました。

ノーザンファーム


特別にバスを降りてフサイチエアデール2013を見学することに
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毎年のようにリーディング・ブリーダーの首位を争うノーザンファームでは、バスで施設内をめぐりました。ノーザンファーム事務局で、セレクトセールの鑑定人も務めている中尾義信さんが添乗し、時折ユーモアをまじえながら解説していただきました。中尾さんはまずノーザンファームの成り立ちや歴史、牧場の広さ、牧場を支える人材、周辺地域の気候などに触れ、そのダイナミックな数字やデータに参加者は驚いていました。その後は強い馬づくりのために実践している工夫の一部を、参加者へ丁寧に説いていました。途中、厩舎と調教施設に立ち寄り、ここではバスを降りて見学となりました。厩舎では来年のセレクトセール上場予定の父ハービンジャー、母フサイチエアデールの当歳牡馬を見学し、その凛とした顔つきと好馬体は参加者の視線をすぐさま集めました。また、調教施設では幾多の活躍馬が駆け上がった坂路コースに入り、びっしりと敷き詰められたウッドチップを踏みしめながら、頂上からその勾配を確かめました。中尾さんはディープインパクトの育成時のエピソードや、レースでヴィクトリーロードを切り開くために必要な調教について、長きにわたる経験をもとに熱弁を振るいました。

社台スタリオンステーション・グリーンテラス


参加者全員で冥福を祈りました
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旅の最後は再び社台スタリオンステーションの一般見学場所のグリーンテラスを訪れ、8月30日に亡くなったトウカイテイオーの墓参りをしました。種牡馬展示の際と同じように事務局の三輪圭祐さんが案内し、かつて過ごしていた放牧地が見える場所にあるお墓に一行は集まりました。一人の参加者の方が代表して供花をお供えし、全員で手を合わせました。トウカイテイオーは1988年生まれの牡馬で、デビューから無敗で皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)を制し、その後は故障を乗り越えながらジャパンC(G1)、有馬記念(G1)で劇的な勝利を収め、優秀な成績で種牡馬入りしました。顔の流星と独特の歩様が特徴で、現役時代からファンの多い馬でした。過去の本ツアーでも展示の機会があり、対面した参加者を喜ばせていました。

ツアーを終えて~

今年、あるレースの優勝騎手インタビューで、内田博幸騎手が「馬はロボットじゃない」と答える場面がありました。命ある生き物として、馬にも人間と同じように喜怒哀楽があり、身体には生温かい血が流れています。時に、様々な場所で馬に対して心ない言葉を発する方をお見受けしますが、この世に生を受けた馬の命を軽くみられることは、本当に悲しいことです。馬に関わる方たちは、その馬が幸せな生涯を送られるように、一生懸命に向き合っています。本ツアーは今年も参加者に馬産地を満喫していただくと共に、馬たちとその周囲のホースマンの“生”を、馬たちが沢山のホースマンに愛されて生きた証を伝える、たいへん有意義な機会となっていれば幸いです。


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