2025年01月05日 京都金杯 G3
優勝馬:サクラトゥジュール
プロフィール
- 生年月日
- 2017年04月14日 08歳
- 性別/毛色
- せん/青鹿毛
- 戦績
- 国内:26戦7勝
- 総収得賞金
- 209,516,000円
- 父
- ネオユニヴァース
- 母 (母父)
- サクラレーヌ by シンボリクリスエス(USA)
- 馬主
- (株) さくらコマース
- 生産者
- 谷岡牧場 (静内)
- 調教師
- 堀 宣行
- 騎手
- R.キング
2025年最初のJRA重賞「第63回スポーツニッポン賞京都金杯(G3)」が1月5日に中京競馬場芝1,600m(良)16頭立てで行われR.キング騎手騎乗の8歳馬サクラトゥジュールが最後の直線で狭いところを割って出るようにして優勝。58kgのトップハンデを背負いながら、昨年の東京新聞杯(G3)に続く2度目の重賞勝利を記録した。
英国出身で豪州競馬を拠点とする短期免許の女性騎手R.キング騎手にとっては、本馬とコンビを組んだ2024年の東京新聞杯(G3)以来のJRA重賞勝利で通算3勝目。堀宣行調教師にとっては2024年キーンランドカップ(G3)(優勝馬サトノレーヴ)以来の重賞勝利で通算77勝目となった。
単勝オッズ12倍、6番人気で勝ったサクラトゥジュールの生まれ故郷は新ひだか町の谷岡牧場。戦前に創業されたという牧場の歴史は長く、1971年の年度代表馬トウメイや1996年の年度代表馬サクラローレル、1988年の日本ダービー馬サクラチヨノオーなど数々の活躍馬を送ってきた。
サクラトゥジュールは2019年10月、東京競馬場の新馬戦で優勝したものの、2勝目をあげたのは日本ダービー(G1)1週前の5月下旬。6戦を要した。素質がありながらもいま一歩勝ち星に手が届かないレースを続け、クラシック路線には乗れなかったが、6歳5月に東京競馬場のオープン競走、芝1,800mのメイSで5勝目を挙げると7歳2月、24戦目となる東京新聞杯(G3)JRA重賞初勝利。今回も競馬場は異なるものの、その時と同じ左回り芝マイル戦。馬主(株)さくらコマースの全尚烈会長は「レイチェル騎手が来日するのを待っていた」という。
本馬の祖祖母サクラセダンは、前述の日本ダービー馬サクラチヨノオー、最優秀3歳牡馬サクラホクトオー、七夕賞(G3)優勝馬サクラトウコウなどを輩出する名繁殖牝馬。サクラセダンの母スワンズウッドグローヴ(父グレイソヴリン)は谷岡牧場(創業者の谷岡増太郎氏の子で2代目の谷岡幸一氏)によって1970年に英国から輸入され、8頭の牝馬を生み同牧場の基礎繁殖牝馬となった。今回の勝利は中央競馬のオールドファンにとってはノスタルジックな気分に浸ることができる意味深い勝利となった。
「1月は牧場の出産シーズンでもありテレビ観戦でした。今回は相性の良い条件だったとはいえ、去勢明け、また昨夏から4か月余りの休養明けでもありました。パドックでのテンションも高く、勝って欲しいと願いながらもレースの前は半信半疑でしたが、さすがに地力のある馬ですね。嬉しいです」と話してくれたのは谷岡牧場三代目の谷岡康成代表だ。
牧場時代の話を伺うと「生まれたときからこれといった問題もなく順調に成長してくれました。まあ幼少時からおとなしい馬で同期20頭のなかでも特に目立った馬ではありませんでした」と話してくれた。
母サクラレーヌはシンボリクリスエス産駒。「サンデーサイレンス産の種牡馬ネオユニヴァースを付けようと決めたのは私です。ルヴァンスレーヴ(父シンボリクリスエス、母父ネオユニヴァース)の対称配合(笑)になります。うちの牧場の基礎をつくってくれたスワンズウッドグローヴからサクラセダンの血を引き継ぐ馬なので、やはりオープンまで行ってくれたらJRA重賞はぜひとも獲りたい。それはもちろんサクラのオーナーの名誉のこと牧場のこともありますけど、サクラの冠名の馬には今でもファンが多いので、昔から永らく競馬を支えてきてくださった競馬ファンの皆さんへの恩返しという意味もあります」と喜びを表現した。
現在、母サクラレーヌはロードカナロア産駒を受胎しているそうだ。「3月末が出産予定日です。サクラトゥジュールの次走は東京新聞杯(G3)連覇を目指すと聞いています。頑張って欲しいですね。」と期待に胸を膨らませている。