2023年04月20日 東海クイーンC(GDJ)
優勝馬:セブンカラーズ
プロフィール
- 生年月日
- 2020年02月12日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:7戦7勝
- 総収得賞金
- 42,580,000円
- 馬主
- (株) グリーンファーム
- 生産者
- オリオンファーム (門別)
- 調教師
- 川西 毅
- 騎手
- 山田 祥雄
『グランダム・ジャパン2023』3歳シーズンの第5戦「東海クイーンカップ(名古屋)」を大差勝ちしたセブンカラーズが、『ダービーシリーズ2023』の第2戦「東海ダービー(名古屋)」も圧倒的1番人気に応えて逃げ切り勝ち。デビューから8戦不敗で、東海地区3歳世代の頂点に立った。
セブンカラーズの生まれ故郷は、日高町福満のオリオンファーム。昨年のダービー卿チャレンジトロフィー(G3)を豪快に差し切ったタイムトゥヘヴンや、一昨年の東京ダービー3着馬ブライトフラッグなどの活躍馬を生産。またオーナーとして、アンペアとオノユウが2年つづけてエーデルワイス(Jpn3)に優勝したことでも話題となった牧場だ。
「ケンタッキーダービー馬の牝系から、東海ダービー馬が出ましたね」と笑顔を見せるのは、場長の三浦啓一さん。三浦さんの言うケンタッキーダービー馬とは、セブンカラーズの3代母ウィニングカラーズのこと。今年で149回を迎えたケンタッキーダービー(G1)の長い歴史の中で、牝馬の優勝は3回のみ。そのうちの1頭が、1988年の優勝馬ウィニングカラーズである。同レースで2着に負かした馬がフォーティナイナーで、6着がブライアンズタイム。さらに翌年の優勝馬がサンデーサイレンスと書けば、ウィニングカラーズの偉大さが日本のファンにも伝わりやすいだろう。
そのウィニングカラーズの仔ストーミンウイニー(父ストームキャット)は米国で繁殖生活を送っていたが、11歳の時にイエスイッツトゥルーの仔をお腹に宿した状態でオリオンファームが購入。日本へ輸入し、2年後にスペシャルウィークを交配して生まれたのがセブンカラーズの母ウイニフレッドだった。「この血統は、総じて大きく生まれてきます。母のウイニフレッドも雄大な馬格をしていますし、コパノリッキーとの交配で生まれたセブンカラーズも当歳時から立派な体をしていました」と話すのは、繁殖厩舎長の加藤義之さん。「あとみんな頭が良くて、自分の置かれている立場をしっかりと理解しているようです。放牧地でも強い相手には近づかず、離れて過ごしているのをよく見かけます。セブンカラーズの場合、その性格がレースに行っても影響し、他の馬の近くで揉まれるのを嫌がって逃げているのかもしれません」と苦笑いを浮かべる。放牧地へ案内してもらうと、今春生まれたセブンカラーズの半妹(父ダノンレジェンド)がいて、確かに他の馬の群れとはポツンと離れた場所でマイペースに草を食んでいた。
ストーミンウイニーはウイニフレッドのあと、ナトゥーラ(北海道7勝)、マロンブーケ(南関東8勝)、ホレミンサイヤ(留守杯日高賞含む岩手2勝、名古屋4勝)と4年連続牝馬を産んでいる。そのうち、ウイニフレッドとマロンブーケが引退後にオリオンファームへ戻って繁殖入り。「今年の東海ダービーには、マロンブーケの初仔マロンアイス(父エピファネイア)も出ていたんです。同じ年に生まれた同じ血統の出身馬が同じ厩舎に入っていっしょにダービーを走るなんて、なかなか珍しいケースですよね」と加藤さんは話すが、その結果は1着と4着。珍しいを超えて、快挙と言ってもよいのではなかろうか。
「セブンカラーズは同世代の中でトップを獲りましたが、まだまだ真面目に走っていないように見えるんですよね。今後は上の世代相手と戦う機会も増えるでしょうが、さらに成長した走りで連勝を伸ばしていってほしいです。そして将来は、他地区の馬たちと戦う姿も見てみたいです」と口を揃える三浦さんと加藤さん。ケンタッキーダービー馬の血を引く東海ダービー馬の未来には、きっと七色に輝く虹のような美しい景色が広がっているはずだ。