2021年04月04日 大阪杯 G1
優勝馬:レイパパレ
プロフィール
- 生年月日
- 2017年01月28日 04歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:6戦6勝
- 総収得賞金
- 393,147,000円
- 馬主
- (有) キャロットファーム
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 高野 友和
- 騎手
- 川田 将雅
初のG1挑戦のまえに立ちはだかるのは、牡馬、牝馬を合わせた歴戦の勇者12頭であり、そして、午後になってから降り始めた雨が、芝コースにしみこんでいく馬場条件。
それにも関わらず、このレースがG1初挑戦となるレイパパレは、果敢にレースの主導権を握っていくと、最後の直線では更に後続との差を広げていき、2着のモズベッロに4馬身差をつける快勝。デビューから6戦目での古馬G1勝ちは史上5頭目となる、最少キャリアタイであり、無敗でのG1制覇もまたファインモーション、クリソベリルに続く3頭目の快挙ともなった。
「ただただ、凄いと思います。いまだに驚きの方が大きいですね」とはノーザンファーム空港の佐藤信乃介厩舎長。育成を手掛けた馬ではレイパパレが初めての重賞馬(チャレンジC(G3))となるが、勿論、G1制覇もまた、レイパパレが成し遂げてくれた。
「重馬場にしては道中のペースも速く(1000m通過が59秒8)、有力どころが動き始める3、4コーナー辺りできつくなるのとも見ていました。それでも、後続勢が苦しそうに走っていた中でも、レイパパレは自分の競馬ができているように見えていましたし、直線を迎えた時にはひょっとしたら…と思えるようにもなりました」(佐藤厩舎長)
育成時からレイパパレは渋った馬場でもこなせるような走りをしていた、と佐藤厩舎長は振り返る。
「軽さや柔らかさがある父の産駒にしては、しっかりと走ってくれるというのか、地面を捉えた時の感覚が沈み込むというより、むしろ跳ね返ってくるような『高反発』の走りをしていました」(佐藤厩舎長)
それでも、成長曲線が緩やかだったこともあり、この走りの良さを引き出すべく、時間をかけながら育成調教を行ってきた。
「牧場にいた頃は、速い時計を出すと持っているエネルギーをすぐに消費してしまうようなところもありました。それだけにあまり動かさないように、スピードを出しすぎないようにしながら、調教を進めてきました」
そこでの我慢が成長力を引き出し、この快挙に繋がったと言えるが、実際に佐藤厩舎長の元に入ってきていたノーザンファームしがらきでの調整過程を見ても、年齢を重ねるごとに調教の内容は濃くなっていき、それでいながら、体重の変動はほとんど見られなくなっていた。
「秘めていた成長力が凄いのでしょうね。自分たちが牧場で出来ることは、肉体面、精神面といった下地作りであり、その先では馬の状態を見ながら、そして成長を理解しながら進めてくれた、ノーザンファームしがらきスタッフ、そして高野先生や厩舎の皆さんとの巡り合わせが、レイパパレをここまで育ててくれたのだと思います」
レース後は「初G1制覇を祝福する連絡も、次々とスマートフォンに入ってきました」と笑顔を浮かべる佐藤厩舎長。
「共に働いてきた仲間からの言葉はやはり嬉しかったですし、改めて育成馬でG1を勝てたことの凄さを実感しています。正直、厩舎を任せてもらってから、こんなに早い時期に勝たせてもらえるとも思っていなかったですし、しかもあのメンバーを相手に勝てたことは、今後の活躍に向けての夢が更に広がりました」
今後、この連勝をどこまで伸ばしていけるのか、そして、どのレースを目標にしていくのかなど、次走に注目が集まるレイパパレ。いずれにせよ、そこでは更に成長した姿を我々の前に見せてくれるに違いない。