重賞ウィナーレポート

2013年06月12日 関東オークス(中央交流) Jpn2

2013年06月12日 川崎競馬場 曇 重 ダ 2100m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アムールポエジー

プロフィール

生年月日
2010年04月07日 03歳
性別/毛色
牝/栗毛
戦績
国内:8戦3勝
総収得賞金
52,850,000円
ネオユニヴァース
母 (母父)
ハッピーリクエスト  by  トニービン(IRE)
馬主
吉田 照哉
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
野中 賢二
騎手
岩田 康誠
  • アムールポエジーが生まれ育った北海道千歳市の社台ファーム
    アムールポエジーが生まれ育った北海道千歳市の社台ファーム
  • 社台ファームからは、アグネスフライト、ネオユニヴァース、エイシンフラッシュといった日本ダービー馬や、ドバイワールドC(G1)を制したヴィクトワールピサ、ダイワメジャー&ダイワスカーレットの兄妹など、数々の名馬が巣立ってきた
    社台ファームからは、アグネスフライト、ネオユニヴァース、エイシンフラッシュといった日本ダービー馬や、ドバイワールドC(G1)を制したヴィクトワールピサ、ダイワメジャー&ダイワスカーレットの兄妹など、数々の名馬が巣立ってきた

 『グランダム・ジャパン2013』3歳シーズン最終戦「関東オークス(Jpn2)」は、アムールポエジーが3連勝で初重賞タイトルを手中にした。道中2番手追走から4コーナーでは早くも先頭に立ち、直線で後続をどんどん突き放して5馬身差の圧勝。ようやく1か月半前に初勝利(デビューから6戦目)を挙げたばかりの馬とはとても思えない、完璧なレース運びの横綱相撲だった。

 「強いレースを見せてくれたと思います。ネオユニヴァース産駒の牝馬ということで、距離や条件もピッタリだったのでしょう」とレースを振り返るのは、アムールポエジーの生産者・社台ファーム事務局の荒木杏里さん。このレース、1番人気オメガインベガス、2番人気アムールポエジー、3番人気モンシュシュ共に社台ファームの生産馬。そしてその3頭が1着から3着までを独占するという結果に、「こんなに素晴らしい結果が出ていいのでしょうか?」と笑顔を向けてくれた。

 荒木さんは、アムールポエジーが牧場で過ごした時代について生産・育成のスタッフに印象を聞いてまわってくれたのだが、皆からは「順調すぎて印象に残らなかった馬」との答えが口を揃えて返ってきたそうだ。「私もその言葉を聞いて、改めて生まれてから入厩するまでの管理ノートを調べてみたのですが、確かに順調過ぎるほどに順調だったことが分かりました。厩舎には2歳の夏に移動していますし、デビュー後もコンスタントにレースを使われています。実戦を重ねながら力をつけていき、3歳夏に重賞タイトルへ行き着いたのですから、まさに『無事此名馬』と言えますね」と、レースごとに進化を遂げる3歳馬に感心する。

 アムールポエジーの母ハッピーリクエスト(父トニービン)も社台ファームの生産馬で、現役時代はオープンの「ターコイズS」を制するなどJRAで6勝を挙げた活躍馬。6歳春に引退して繁殖生活に入り、初年度にアフリートとの交配で生まれたミリオンディスクが、「カペラS(G3)」「北海道スプリントC(Jpn3)」を制するなどダート短距離路線で大活躍。3番仔のリクエストソング(父シンボリクリスエス)も、「きさらぎ賞(G3)」で2着して「皐月賞(Jpn1)」に駒を進めるなどの活躍を見せた。「母ハッピーリクエストの産駒を見ていると、父の影響を強く出す傾向にあるようです。芝、ダート問わずに、早い時期から活躍を見せてくれます。今年は父にダイワメジャーを持つ牝馬が生まれました。この当歳馬にも、いろいろな条件で楽しませてくれるような競走馬になってもらいたいです」と、父が変わった妹の活躍にも期待を懸ける。

 「地方競馬場での交流競走を含めて牝馬ダート重賞は充実していますし、アムールポエジーにはこの路線の中心馬として活躍を続けて欲しいです。兄たちの活躍からも成長力があることは間違いなさそうですし、古馬となってからの走りも楽しみです」とアムールポエジーにエールを送る荒木さん。古くはダンスパートナー、エアグルーヴ、今世紀に入ってからもダンスインザムード、ダイワスカーレット、カレンチャンなど、数々の名牝を送り出してきた社台ファーム。今後、長くダートグレード路線で活躍を続け、その偉大な先輩たちと肩を並べるような馬に成長していってほしい。