重賞ウィナーレポート

2015年01月04日 京都金杯 G3

2015年01月04日 京都競馬場 晴 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ウインフルブルーム

プロフィール

生年月日
2011年03月25日 04歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:11戦4勝
総収得賞金
189,213,000円
スペシャルウィーク
母 (母父)
ハナノメガミ  by  サクラユタカオー
馬主
(株) ウイン
生産者
ビッグレッドファーム (新冠)
調教師
宮本 博
騎手
池添 謙一
  • ホテルのような事務所兼ラウンジ
    ホテルのような事務所兼ラウンジ
  • 海を臨む600mのトラックコース
    海を臨む600mのトラックコース
  • 21歳になった母ハナノメガミ
    21歳になった母ハナノメガミ
  • ステイゴールドを受胎している
    ステイゴールドを受胎している

一年の計は金杯にあり。

   京都競馬場芝マイルの舞台で行われた京都金杯(G3)は今年も多くの人で賑わった。

   レースは、ハナを奪った5番人気のウインフルブルームがマイペースの逃げを打ち、直線襲いかかる前年の勝者エキストラエンドを振り切って重賞初制覇。2015年、幸先良いスタートを切った。

   本馬を生産したのは、天皇賞馬マイネルキッツ、昨年のJBCスプリント(Jpn1)を制したドリームバレンチノ、全日本2歳優駿(Jpn1)を勝ち、飛躍が期待されるディアドムスなどを送り出している新冠町のビッグレッドファーム。

   中期育成~調教を担当したグループ牧場、コスモヴューファームの出口宰史さんにお話を伺った。

   「フルブルームの母、ハナノメガミは現在コスモヴューファームの所有馬になっています。うちの牧場は繁殖と育成、一応分かれているけど全員で行うことになっていて、お産の番もするし、調教もつけるんです。自分もフルブルームに関しては当歳の頃世話もしたし、馴致のときや休養で戻ってきたときも跨っています。1頭の馬と濃い付き合いができるのは、他の牧場にはない、やりがいを感じる点ですね」と説明してくれた。

   レース当日は仕事が休みだったという出口さん。電話で実況を聞き、応援していたそう。

   「音声だけなので全然状況がわからなかったんですが、逃げていることはわかりました。直線に入ってから全く名前が呼ばれず、もうダメなのか!?と思ったらいつの間にか勝っていたという感じでしたね。毎年金杯の日はグループ牧場のスタッフが一堂に会してビッグレッドファームでテレビ観戦しているのですが、そっちは相当盛り上がったみたいで、行けばよかったと後悔しましたよ」と苦笑い。それでも「いずれ重賞を勝てる力はあると信じていた馬が結果を出してくれて嬉しい」と続けた。

   ウインフルブルームの母、ハナノメガミはJRAで4勝をあげ、準オープンクラスで堅実な走りをみせていた活躍馬。その10番仔として誕生した本馬は、母譲りの派手な馬体でスタッフから人気があったという。

   「小さい頃は動きが良いとかそういう印象はほとんどなくて、見た目の可愛さでみんなのアイドルでした。ハナノメガミは母性本能が強く、子供を守る余り人間に攻撃してくるくらいだったので、母からもスタッフからも猫可愛がりされて成長していきましたよ」と笑う。

   馴致が始まり、調教が進むにつれて可愛いだけじゃない一面も明らかになってくる。順調に調教が進んでいる組に入っていた本馬は、はじめて早い時計に挑戦した際、他馬を圧倒するスピードを見せた。

   「その時乗っていた騎乗スタッフたちが、これは重賞級じゃないか?と色めきだったのを覚えています。早期入厩を目指していたので、そのままスピードを活かす方向で乗り進めていきました。それが今に繋がってくれてるのかなと思うと嬉しいですね」。

   2年前、片鱗を見せていた才能が花開いた。猛者たちが次々に引退し、世代交代が急がれるマイル路線に、強く、美しい4歳馬が満開の花を咲かせてくれることだろう。