重賞ウィナーレポート

2014年02月16日 京都記念 G2

2014年02月16日 京都競馬場 晴 稍重 芝 2200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:デスペラード

プロフィール

生年月日
2008年02月27日 06歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:30戦8勝
総収得賞金
323,976,000円
ネオユニヴァース
母 (母父)
マイネノエル  by  トニービン(IRE)
馬主
市川 義美
生産者
田中 裕之 (静内)
調教師
安達 昭夫
騎手
横山 典弘

 春のビッグレースを目指す馬たちが集う「第107回京都記念(G2)」。勝利したのは横山典弘騎手騎乗で6番人気のデスペラードだった。

 デスペラードは父ネオユニヴァース、母マイネノエル(母の父トニービン)という血統。JRA最優秀障害馬メルシーエイタイムや87年のアルゼンチン共和国杯(G2)2着のシオフネ、07年のフラワーカップ(Jpn3)3着クロコレーヌなどを出している新ひだか町の田中裕之さんの生産馬だ。

 「生産馬が重賞競走の舞台を踏むなんてことは滅多にあることではないので、相手が強いことは重々承知の上で競馬場で応援させてもらいました」と田中さん。有馬記念(G1)が案外の結果だったこともあり「もちろん、勝って欲しいとは思ってましたが、冷静に相手関係を考えると入着があればよいかなって、そんな気持ちでした。今回の結果よりも将来につながるレースをしてほしいと期待していました」とレース前の心境を語ってくれた。

 パドックで見る愛馬はプラス14キロ。調子の良さは伝わってきたというが、それでもまだ半信半疑。しかし、デスペラードはそうした生産者の気持ちを良い意味で裏切る快走を見せてくれた。

 「ハナを切ったときは驚きましたが、生産者としてはプラス思考で応援するだけ。びっくりというよりもわくわくという気持ちでした。それでも、4コーナーをまわるときには飲み込まれてしまうのかと思いましたが、ジェンティルドンナの脚色が鈍って、直線でトゥザグローリーを突き放したときに勝利を確信しました。意外に冷静でしたよ」と笑顔。「(生産馬の)メルシーエイタイムが現役で頑張ってくれるうちに重賞勝馬を出すことが目標でしたから、暮れのステイヤーズS(G2)を勝ってくれたときは本当に嬉しかったです。ネオユニヴァースは好きな種牡馬で、ほぼ毎年のように配合しています。当牧場との相性も良いと思っています」というようにその中からジョーメテオ(浦和・ゴールドC)やカゼニタツライオン(葵S2着)などの活躍馬を送り出してきた。

 「今だから言えることかもしれませんが、デスペラードは生まれたときから良い馬でした。そんなデスペラードを生んでくれたマイネノエルを譲ってくれたビッグレッドファームにも感謝しています。期待しても結果が伴わないことが多い世界ですが、この馬はそういう意味からも印象に残る馬になりそうです」と嬉しそうだ。

 そして「デビュー当初はダートばかりを使われていた馬が、クラスあがって芝コースで瞬発力を見せてくれるようになりました。それが暮れのステイヤーズS(G2)ではある程度前に行けるようになりましたし、今回はまさかの先行策。厩舎の方々やジョッキーがいろいろと工夫してくれているのだと思います。本当にありがたいし、生産者としては、こういう馬をこれからも送り出していきたい」と意欲を見せている。

 そして最後に「引退される武先生への御礼とご挨拶を兼ねて、メルシーエイタイムを見舞ってきました。一命を取り留めて、乗馬クラブへ引き取られると聞きました」と嬉しい報告もしてくれた。