2014年01月19日 日経新春杯 G2
優勝馬:サトノノブレス
プロフィール
- 生年月日
- 2010年03月18日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:10戦3勝
- 総収得賞金
- 429,515,000円
- 母 (母父)
- クライウィズジョイ by トニービン(IRE)
- 馬主
- 里見 治
- 生産者
- メジロ牧場 (洞爺湖)
- 調教師
- 池江 泰寿
- 騎手
- C.ルメール
第61回日経新春杯(G2)は昨秋の菊花賞(G1)2着で、2番人気のサトノノブレスが積極的な先行策から早めに先頭に立ち、1番人気のアドマイヤフライトの追い込みをクビ差しのいで逃げ切り勝ち。2分24秒4で重賞初勝利を飾った。
サトノノブレスを生産したのは洞爺湖町にあるメジロ牧場。過去には82年の天皇賞(秋)を制したメジロティターンや三冠牝馬メジロラモーヌ、日本競馬史上屈指の名牝メジロドーベルなどを送り出した牧場だ。すでに新聞や雑誌などで報じられているように2011年に解散し、現在は当時のスタッフを中心にレイクヴィラファームとして生産活動を行っている。
メジロ牧場時代のサトノノブレスを知る岩崎義久マネージャー(現レイクヴィラファーム)と内村翔さんは、レースを他の牧場スタッフとともに牧場休憩室で迎えた。
「これまで、勝てそうで勝ちきれない競馬を続けていましたから、レース前は過大な期待を持ちすぎないようにしていました」と内村さん。それでも「4コーナーをまわったときは勝利を確信しましたが、追い詰められたゴール前は冷や汗でした。」と嬉しそうにレースをふりかえった。
牧場期待のディープインパクト産駒。「生まれたときから素晴らしい馬。みんながほめてくれるような馬でした。今でも500キロを超えるような大型馬ですから、牧場時代は、大きな体を持てあますようなところもありましたので、そのあたりには十分に注意しながらケアしていました」という。
生産、離乳を経て洞爺本場にやってきたサトノノブレスは、そんな人間の心配をよそに腕白に、たくましく育っていった。「この世代は、牡馬が少なかったこともあって大型の重種馬(ハフリンガー)と一緒に放牧していました。そうすると運動量が増えるのですが、そのハフリンガー相手にケンカを仕掛けるのです。いくら大きいと言っても1歳のサラブレッドと成馬のハーフリンガーでは大きさが全く違います。それでも向かっていくのです。負けん気の強い馬でした」。
母のクライウィズジョイは、もともとは社台コーポレーション白老ファームが導入した馬だが、03年にメジロ牧場にやってきた。「お互いの血の更新という意味を込めて、当時、メジロ牧場にいた同じ年齢の繁殖牝馬と交換したのです。クライウィズジョイは仔出しのよいお母さんで、配合種牡馬の良いところを引き出してくれます」とのこと。現在はダイワメジャーを受胎している。
岩崎さんは「セレクトセールで購入いただいたオーナーはもちろん、繁殖牝馬を譲ってくれた白老ファームや、サトノノブレスを育成してくれたノーザンファーム。それから厩舎スタッフ。この馬にかかわっているすべての人に感謝しています。メジロ牧場最後の世代ということもあって応援してくれる人がたくさんおりますし、馬自身もまだ奥があると思います。メジロ牧場がこだわった天皇賞を狙えるような馬になって欲しいと思います」と夢を託している。