2013年11月23日 京阪杯 G3
優勝馬:アースソニック
プロフィール
- 生年月日
- 2009年04月03日 04歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:20戦6勝
- 総収得賞金
- 229,374,000円
- 馬主
- 前田 幸治
- 生産者
- 新冠伊藤牧場 (新冠)
- 調教師
- 中竹 和也
- 騎手
- M.デムーロ
一昨年のロードカナロア、昨年のハクサンムーンと、同レースで重賞初制覇を遂げたのち、名スプリンターへ飛躍した出世レース、京阪杯(G3)。今年も新たな素質馬が才能を開花させた。
2度目の重賞挑戦、経験豊富な馬たちを相手に7番人気に甘んじたアースソニックは、終始2番手を追走。直線逃げ粘るアイラブリリをクビ差差し切り、レースレコードで重賞初制覇を飾った。
アースソニックの故郷は、新冠町の新冠伊藤牧場。02年の小倉大賞典(G3)を制したタマモヒビキ、99年のダイヤモンドS(G3)馬タマモイナズマ兄弟や、2頭の母で88年の北九州記念(G3)勝ち馬タマモハッピーなどを送り出している。現在は2代目となる伊藤久幸さんと夫人の2人で10頭の繁殖牝馬を繋養している。
レース当日は自宅で応援していたという伊藤さん。「スタートから好位でレースを進められたので期待はしました。だけど直線に入っても中々逃げた馬を捕らえることができず思いっきり叫びましたよ。道悪や荒れた馬場が得意だし、京都開催の最終週ということで今回の勝利はこの馬にとって絶好の舞台だったと思います。騎手も上手に乗ってくれたし運が向いていたね」と頬を緩めた。
母ダイヤモンドピアスはJRAで3勝をあげ、その母タマモダイヤモンドを預託馬として預かっていた縁で伊藤さんの元で繁殖入りすることになった。伊藤さんにとっても長きに渡り携わって来た思い入れの深い血統であり、アースソニックは母の6番仔になる。
「ダイヤモンドピアスは大人しくて扱い易い馬で、子供もおっとりした馬が多いです。アースソニックも牡馬の割に大人しい方で、あまりヤンチャだった記憶はないですね。クロフネ産駒らしいしっかりした見映えのする馬体だったので、当歳のセレクションセールに上場することにしたんです」と話してくれた。
セレクションセールに上場された同馬を一番最初に見に来てくれたのは、他でもない中竹和也調教師だった。実は、母ダイヤモンドピアスは中竹厩舎に初勝利をプレゼントしてくれた馬。1050万円で落札され、母と同じ師の元で競走馬デビューすることとなった。
「思い入れタップリで世話してくれてる中竹先生、短期放牧を挟みながら大事にしてくれているオーナー、いろいろな縁が重なって今の活躍があるからね。今後はスプリントG1を目指して行くことになるだろうけど、周りの期待に応えられるよう、怪我なく頂点を目指して欲しい」と伊藤さんはエールを送った。