2013年10月20日 菊花賞 G1
優勝馬:エピファネイア
プロフィール
- 生年月日
- 2010年02月11日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/鹿毛
- 戦績
- 国内:8戦5勝
- 総収得賞金
- 687,795,000円
- 馬主
- (有) キャロットファーム
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 角居 勝彦
- 騎手
- 福永 祐一
敵はライバル17頭ではなく、自分自身だった。牡馬三冠最後の一冠となった菊花賞(G1)。皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)で2着と悔しいレースが続いていたエピファネイアは、長丁場のレースでも自分を見失うことなく、直線で抜け出すと2着馬に5馬身差を付けて優勝。第74代の菊花賞馬に輝いた。
「前走の神戸新聞杯(G2)では折り合いの面で成長も見られましたし、勝てるという気持ちでレースを見守ることができました」とはノーザンファーム早来牧場の森下政治育成厩舎長。レース当日は競馬場へ応援に行かず、自宅のTVで観戦していたというが、その分、よりエピファネイアの走りを集中して見ることができたとも話す。
「スタートして、先行する馬のすぐ後ろに位置した時には驚きました。ただ、その位置で我慢もしてくれましたし、後はこの馬の能力を出せれば大丈夫だと思っていました」(森下厩舎長)
皐月賞(G1)、ダービー(G1)と悔しいレースが続いていたエピファネイアであったが、それは森下厩舎長や厩舎のスタッフにとっても一緒だった。
「まだ、自分が厩舎長となってからは、ノーザンファームの生産馬でクラシックレースを勝ったことがありませんでした。エピファネイアは自分の厩舎に来た頃から見栄えの良さ、その後の動きと他の馬とは違っていた馬ですし、それだけに何とか大きいタイトルを取らせてあげたいとの思いはいつもありました」(森下厩舎長)
三冠全てに出走し、勝ちに等しいレースを続けてきただけでなく、距離が伸びた菊花賞(G1)で優勝という実績は、3歳牡馬の中でも高く評価されるべきであろう。また3000mの距離で後続を更に引き離したスピードとスタミナ、そして折り合いにも見られた精神面の成長と、このタイトルを手にしたことで更にエピファネイアは真の一流馬へと近づいたような印象を受ける。
「まだ次のレースは決まっていませんが、ロゴタイプ、そしてキズナといった同世代の馬たちと、次はどんなレースをしてくれるか楽しみですし、古馬にどう挑んでいくかも見てみたいですね」(森下厩舎長)
数々の名馬を育て、そして送り出してきた森下厩舎長に、「ずっと思い出に残る馬だと思います」と言わせたエピファネイア。今後、更にG1タイトルを積み立てて、森下厩舎長や厩舎にスタッフに思い出だけでなく、より多くの喜びを授けて欲しい。