重賞ウィナーレポート

2013年09月17日 セントライト記念 G2

2013年09月17日 中山競馬場 晴 良 芝 2200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ユールシンギング

プロフィール

生年月日
2010年04月25日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:7戦3勝
総収得賞金
119,446,000円
シンボリクリスエス(USA)
母 (母父)
ジョリーノエル  by  スペシャルウィーク
馬主
(有) 社台レースホース
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
勢司 和浩
騎手
北村 宏司

 中山競馬場で行われている菊花賞(G1)トライアルのセントライト記念(G2)。美浦の所属馬にとっては、ぜひともここで菊花賞(G1)への権利を掴んでおきたいレースで、前走、500万下の挑戦から勝利をという形でその権利を手にしたのはユールシンギング。2着にも同じ社台ファーム生産馬のダービーフィズが入ったが、この2頭は同じ育成厩舎で鍛えられた馬だった。

 「ユールシンギングは、1歳の10月に直線ダートでキャンター調教を開始した時点から、体が起きあがり、伸びやかなフットワークで走ることができていました」と話すのは、2頭を送り出した社台ファームの山本哲也育成厩舎長。このまま才能を開花させていくかに思われたユールシンギングではあったが、その後、左脚の飛節のOCD手術を行っただけでなく、セントライト記念(G2)での520㎏という馬体重が示すとおりの大型馬だったこともあり、ゆっくりと調整されていくこととなる。

 「管理をしてくださっている勢司先生は、毎週のように牧場に足を運んでくださり、つぶさに状態を確認していただけでなく、急がせることなく進めてくれるようにも話してもらいました。先生と上手くコミュニケーションを図りながら馬にあった調教、そして入厩ができたことがこの結果に繋がっていたと改めて思い返すばかりです」(山本厩舎長)

 能力を見越して、無理をさせなかったことは、2歳夏になってからの動きにも現れた。大型馬ならではの迫力のあるキャンターを見せるようになったユールシンギングは、その後も順調な成長を続け、3歳の1月にデビュー。初勝利こそ5月と遅くなったが、9月の500万下で勝利をあげると中1週で重賞へ挑戦。重賞ウイナーたちを相手とせず、豪快にゴール板を先頭で駆け抜けた。

 「常に馬のことを考えている先生が中1週で重賞挑戦をさせたわけですから、よっぽど状態が良く、また能力も高く買ってくれていたのだと思います。ゴール前、ダービーフィズの追い込みを押さえ込んだところからしても、まだ隠し持っている強さはありそうですし、そのダービーフィズと共にユールシンギングが菊花賞(G1)でどんなレースを見せてくれるか楽しみになってきました。感慨深い勝利となりましたし、ご声援いただいた会員の方やファンの方には感謝したいです」(山本厩舎長)

 社台ファーム生産馬でセントライト記念(G2)を経由して菊花賞(G1)へと臨む馬と言えば、01年、第62代の菊花賞馬となったマンハッタンカフェが思い出される。ユールシンギング、そしてダービーフィズが先輩に続く栄冠に輝けるか注目したい。