重賞ウィナーレポート

2010年02月14日 きさらぎ賞 G3

2010年02月14日 京都競馬場 曇 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ネオヴァンドーム

プロフィール

生年月日
2007年02月19日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:5戦2勝
総収得賞金
127,455,000円
ネオユニヴァース
母 (母父)
プリンセスカット  by  トニービン(IRE)
馬主
小林 仁幸
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
藤原 英昭
騎手
M.デムーロ
 今年のきさらぎ賞(G3)を勝利したのは、未勝利戦を勝ち上がったばかりのネオヴァンドーム。このレースは父ネオユニヴァースも03年に勝利しており、昨年のリーチザクラウン(父スペシャルウィーク)に続く父子制覇となった。

 「勝ち上がるまでに数戦を要しましたが、その経験をアドバンテージに変えるのですから大した勝負根性だと思います」とは、父ネオユニヴァースの生産牧場でもある社台ファームの長浜卓也さん。

 その長浜さんが鑑定人を務める「セレクトセール2007」に上場されたネオヴァンドームは、小林仁幸オーナーに見初められ、社台ファームで調教を積まれた後に藤原英昭厩舎へと入厩することとなる。

 「幼少期からバランスのいい馬で、運動能力も高く、夜間放牧を続けてもアクシデントどころか、小さな怪我をすらなかったですね。ボディバランスがよっぽど優れていたのではないのでしょうか。騎乗調教に入ってからは気性が真面目過ぎるのか、走りに力みが見られるようなことこそありましたが、動きの柔軟さや反応のよさは集団調教でも目立つ一頭でした。こうした課題さえ克服できれば、きっと結果が残せる良駒だと思っていました」(長浜さん)

 ネオヴァンドームが牧場でトレーニングを積んでいる頃、頻繁に愛馬の状態を確かめに来ていたのが小林オーナーだった。

 「オーナーを初めとする『チームネオ』の皆さんの熱心さは本当に素晴らしく、お忙しい合間を縫って牧場への来場や所有馬の状態確認、また東西トレセンへの調教視察など、いつ休まれているんだろうか、と思えるほどでした。こうした愛馬に対する深い愛情と高い志は我々も見習うべき点が多く、その情熱にほだされた我々も、ネオヴァンドームへの愛着が生まれるようになっていました」(長浜さん)

 2歳5月に山元トレーニングセンターへ移動したネオヴァンドームは、栗東へと入厩する8月末までびっしりと鍛えられることとなる。長浜さんも頻繁に状態を確認していたというが、調教本数も増え始めた7月あたりから、山元トレーニングセンターでの評価がグンと上がってきた。

 「調教でもハロン12-12の時計を、引っ張りきれないほどのアクションで上がってきたらしく、目の当たりにしスタッフ一同がこの馬の活躍を確信するようになったと聞いています」(長浜さん)

 このきさらぎ賞(G3)では5番人気の支持ながら、牧場内での評価はダントツの1番人気だったとのことで、重賞制覇という偉業にも、納得した表情を浮かべていたスタッフも多かったという。

 「普段からお世話になっている小林オーナーの初重賞制覇に携われたことを、とても嬉しく思います。待望の重賞制覇ではありますが、まだまだ上を目指せる馬ですし、ここは通過点として、さらなる躍進を期待しています」(長浜さん)