重賞ウィナーレポート

2026年06月13日 函館スプリントS G3

2026年06月13日 函館競馬場 晴 稍重 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ピューロマジック

プロフィール

生年月日
2021年02月18日 05歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:17戦6勝
総収得賞金
193,495,000円
アジアエクスプレス(USA)
母 (母父)
メジェルダ  by  ディープインパクト
馬主
(株) スリーエイチレーシング
生産者
村田牧場 (新冠)
調教師
安田 翔伍
騎手
北村 友一

 サマースプリントシリーズの第1戦「第33回函館スプリントS(G3)」には快足自慢13頭がエントリーしてきたが、人気の一角と見られていたクラスペディアが馬場入後、放馬して競走除外。12頭で行われ、好スタートからハナを奪った北村友一騎手騎乗の6番人気ピューロマジックがそのまま後続を寄せ付けずに逃げ切り勝ち。昨年のアイビスサマーダッシュ(G3)以来の重賞勝利となり、通算成績を19戦6勝2着2回3着1回(重賞4勝)とした。管理する安田翔伍調教師のJRA重賞勝利は今年の根岸S(G3)(優勝馬ロードフォンス)に続くもので通算17勝目。北村友一騎手にとっては、今年の葵S(G3)(優勝馬デアヴェローチェ)に続く重賞勝利で通算42勝目の重賞タイトルとなった。

 〝真夏の快足女王〟ことピューロマジックの生まれ故郷は新冠町の村田牧場。昭和5年創業という老舗牧場で、その歴史の中で2009年のJRA賞最優秀短距離馬ローレルゲレイロや、2006年のNARグランプリ3歳最優秀牝馬、最優秀牝馬のチャームアスリープ、2021年の仏国フォア賞(G2)優勝のディープボンドほか、ユキノビジンやノースブリッジ、モズベッロなどを送り出してきた。現在は新冠町内に本場ほか3つの分場で、年間25頭前後を生産している。生産馬の重賞勝利は昨年のアイビスサマーダッシュ(G3)以来で、7年連続JRA重賞勝利となった。

 この日、村田康彰専務の姿は函館競馬場にあった。「生産馬が重賞競走に出走する日は、関係者の方々にご挨拶とお礼を言うためにできる限りが足を運ぶようにしているのですが、この日のピューロマジックは、いつもに比べると落ち着いた雰囲気でパドックを周回していました。気性的に激しいところがある馬なので、輸送のない滞在競馬もプラスだったのだと思います」と密かに自信を深めたという。

 いつものように好ダッシュから楽にハナを奪うと、あとはマイペース。開幕週だったとはいえ、朝方まで雨が降り続き稍重発表の馬場を、ぐんぐん飛ばす。「大変申し訳ない話ではありますが、同型馬が発走除外となった事もピューロマジックにとってはラッキーでした。やりたい競馬ができたと思います」。そのまま後続に影を踏ませぬ快走劇で4つ目の重賞タイトルを手中にした。

 函館競馬場は、ディープインパクト産駒の母メジェルダが2015年に初勝利を記録した競馬場。その後メジェルダは秋のファンタジーS(G3)で2着するなど桜花賞(G1)候補の1頭となったが、期待ほどの成績を残すことが出来ずに4歳春の邁進特別1000万下を最後に引退。その年から生まれ故郷の村田牧場で繁殖牝馬生活に入っている。

 「4月29日にレースを使った馬ですから、1回だけ種付けをして不受胎だったら翌年に備えようと考えました。メジェルダが小柄な馬でしたから、馬格のある馬の中から選んだのがアジアエクスプレスでした」。見事1回の種付けで受胎して、生まれたのが現役オープン馬のメディーヴァル。「まだメディーヴァルがデビューする前でしたが、もう1度アジアエクスプレスを配合してみたいと思わせるような馬でした」とピューロマジック誕生秘話をちらりと耳打ちしてくれた。

 さかのぼれば4代母カスパースカイゴールドはカナダ年度代表馬ピートスキーの半妹。一族最大の武器であるスピードと競走馬向きの気性を損なわぬように大事に育てられ、多くの活躍馬を送りだしてきたファミリーだ。

 そして、サマースプリントシリーズ制覇へ向けて、8月2日に行われるアイビスサマーダッシュ(G3)にエントリー。勝てば2015,2016年のベルカント以来、史上3頭目となる同レース連覇となる。「奇しくも半兄バグラダスも出走予定のレースです。欲を言えばキリがありませんが、どちらも力を出し切れるようなレースになる事を期待したいです」と密かに期待している。