重賞ウィナーレポート

2026年03月08日 弥生賞ディープインパクト記念 G2

2026年03月08日 中山競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:バステール

プロフィール

生年月日
2023年03月28日 03歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:3戦2勝
総収得賞金
63,328,000円
キタサンブラック
母 (母父)
マンビア(GB)  by  アルデバランⅡ(USA)
馬主
有限会社シルク
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
斉藤 崇史
騎手
川田 将雅
  • 育成馬が重賞初勝利をあげた藤春猛厩舎長
    育成馬が重賞初勝利をあげた藤春猛厩舎長
  • 隣のC1厩舎に続く、育成馬の重賞勝利となった
    隣のC1厩舎に続く、育成馬の重賞勝利となった

 ノーザンファーム空港牧場C1厩舎の育成馬で、安藤幸宏厩舎長と厩舎スタッフが手掛けた、一世代目の管理馬となるゾロアストロが、きさらぎ賞(G3)で勝利をあげる。そして、弥生賞ディープインパクト記念(G2)ではすぐ隣となるC2厩舎の育成馬で、同じくこの世代が一世代目の管理馬となる藤春猛厩舎長と、育成スタッフが手掛けたバステールが重賞初制覇を果たした。

 「イヤリングからの移動が遅くなっただけでなく、その頃は馬体重も400kg台しかありませんでした。1歳の頃は馬体の成長を促しながら調教を進めてきただけに、クラシックでの活躍は驚いています」と話すのは藤春猛厩舎長。バステールの管理を行う斉藤崇史調教師とも、入厩時期は2歳の夏以降になると伝えていた。だが、2歳を迎えてから成長曲線が上向きになると、日を追うごとに逞しさが増していき、9月上旬には本州へと移動。10月下旬には斉藤崇厩舎へと移動する。

 デビューは11月30日のメイクデビュー東京となるも、そこでは2着となり12月に阪神競馬場で行われた2歳未勝利戦で初勝利を果たす。

 「送り出す前からポテンシャルの高さを感じていただけに、負けたと言えども新馬戦の内容を見た時には、次は楽しみだなと見ていました。2戦目は馬群に入れての競馬となりましたが、そつなく回ってきて、最後の直線ではしっかりと脚を使ってくるという、前走でのレース経験を生かしたような走りを見せてくれました」

 この未勝利戦勝利の後に臨んだのが、初の重賞競走であり、皐月賞(G1)トライアルでもある弥生賞ディープインパクト記念(G2)。デイリー杯2歳S(G2)の勝馬であるアドマイヤクワッズが1番人気、東京スポーツ杯2歳S(G2)で3着となったライヒスアドラーが2番人気となる中、バステールはその2頭に続く3番人気の評価を集めた。

 「人気は上位でしたが、このメンバーを相手に、どこまでやれるのだろうかと思ったのが正直な気持ちでした。それだけに、あっさりと勝ちきってくれた姿には、この時期の成長力は凄いと思わされました」

 後方からのレースとなったバステールは、馬群が凝縮し始めた3コーナーから4コーナーにかけて外に進路を向けていく。一瞬、進路を無くしたかのように見えたが、鞍上の川田騎手は馬の顔を前に向けると、スペースを見つけて再加速を始める。

 先に抜け出したのはアドマイヤクワッズであり、そこにライヒスアドラーが迫ってくるという、人気馬2頭の争いとなったかに見えたレースは、ゴール手前でバステールが後方一気の末脚を使っての勝利。ゴールの瞬間、川田騎手はバステールの奮闘を称えるかのように、顔を優しくなでた。

 レース後に川田騎手は、「追い切りではとても難しい面があり、それをレース前のパドックでも返し馬でも、レースが始まる前にずっとケアしていた感じです。まだ体も心も幼いので、これから成長していく馬だと思います。その状態でこれだけのパフォーマンスを出せるというのは、素質が高いと思います」

 また、斉藤崇史調教師も、「難しいところがある馬ですが、返し馬から川田さんが丁寧に下ろしてくれました。レースでもリズムを大事にしながら、よくエスコートしてくれました」と話している。

 「入厩してからも色々な課題のある中で、斉藤崇史先生や厩舎の皆さん、そして、ノーザンファームしがらきのスタッフが、心身ともに成長させてくれたと思います。まだ、様々な課題は残っていますが、それでもここで弥生賞ディープインパクト記念(G2)を勝てたのは、今後に向けて大きな勝利ともなりました」

 そして、育成馬では初めて手掛けた重賞馬となったことについては、「これだけの能力を持った馬を、自分の厩舎に預けてもらったのは、本当に有難いと思いました。この馬に関わった関係者の皆さんには感謝しかありません。まずは無事に次のレースを迎えてもらいたいと思っています」と藤春猛厩舎長は感謝の言葉を述べた。

 次走は皐月賞(G1)を予定しているが、キタサンブラック産駒は2023年にソールオリエンスが優勝し、2025年にはクロワデュノールが2着となっている。成長を待ったことが、ここに来ての飛躍ともなっている感もあるだけに、トライアル勝利から一気のG1制覇も十分に考えられる。