重賞ウィナーレポート

2025年11月08日 京王杯2歳S G2

2025年11月08日 東京競馬場 晴 良 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ダイヤモンドノット

プロフィール

生年月日
2023年03月29日 02歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:5戦2勝
総収得賞金
53,354,000円
ブリックスアンドモルタル(USA)
母 (母父)
エンドレスノット  by  ディープインパクト
馬主
金子真人ホールディングス (株)
生産者
坂東牧場 (平取)
調教師
福永 祐一
騎手
C.ルメール

 2歳マイル王決定戦の朝日杯フューチュリティS(G1)のステップ競走に指定されている第61回京王杯2歳S(G2)が11月8日、東京競馬場で行われ、好スタートから道中は2番手を進んだC.ルメール騎手騎乗の1番人気ダイヤモンドノットが最後の直線で一気に加速。激しい2着争いを繰り広げる後続に3馬身の差をつけて、デビュー5戦目で初の重賞タイトルを手中にした。管理する福永祐一調教師は昨年のデイリー杯2歳S(G2)(優勝馬ランフォーヴァウ)以来のJRA重賞勝利で通算3勝目。鞍上のC.ルメール騎手は今年の天皇賞(秋)(G1)に続く勝利で今年10勝目、通算169勝目のJRA重賞タイトルとなった。

 ダイヤモンドノットの生まれ故郷は平取町の坂東牧場。預託馬を中心に生産から育成までを一貫して行う総合牧場で、創業は1950年。現在は100人を超えるスタッフが300頭以上の馬を管理育成している。ハードル界の絶対王者オジュウチョウサンや、東海S(G2)など重賞2勝のプロミストウォリア、重賞2勝ほかスプリンターズS(G1)2着、高松宮記念(G1)2着ビービーガルダンなどを繰り出しているが、JRA重賞勝利は2023年のアンタレスS(G3)(優勝馬プロミストウォリア)以来のこと。通算25勝目のJRA重賞タイトルに牧場は沸いている。

 同牧場の荒木一仁マネージャーは「半兄ゾンニッヒでは何度も悔しい思いをしてきましたので、まずは金子オーナーに喜んでいただけたことが1番。今回のレースは、私が思い描いていた展開とは異なるものになりましたが、支持していただいたたくさんの方の期待に応えてくれてほっとしています」と喜びを表現した。

 生まれたときから、サイズ感、そして馬体のバランスともに申し分なく、期待の大きな馬だったという。「育成に入ってからも気難しい面を表面化させることなく、順調にメニューをこなしてくれました。ひと言で言い表せば、健康な馬。良い意味で、まったく目立つところがなかった馬です」と当時を振りかえってくれた。

 「私たちが1番大事にしているのは、生産から中期育成、そして後期育成というサイクルの中で、いかにロスなく次の段階へバトンパスが出来るかという事。そういう意味で言えば、この馬は私たちの理想通りにメニューをこなしてくれました」。6月2週目の新馬戦を1番人気で迎えられたことが、順調だった牧場時代を雄弁に物語っている。しかし、馬の特性から1,200m戦では追走に余裕がなく、距離を延ばした3戦目で初勝利。格上げ初戦のもみじSは大逃げを打った馬を捕まえきれずに2着だったが、後続には5馬身の差をつけて高い能力を証明している。初の重賞挑戦となった今回は、緩い流れの中で行きたい馬を行かせての2番手から。道中はしっかりと折り合い、そして追われてからの反応も良くあっさりと抜け出した。

 「期待の大きな馬だっただけに、正直言えば前走の内容は少々不満でしたが、今回のようなレースが出来るのであれば、今後に向けて選択肢が増えていくと思いますし、楽しみが広がります。今回は、私自身、この馬に対するイメージが変わる競馬でした。これからは強い馬同士での争いになると思いますが、持ち味を生かした競馬をしてくれれば結果はついてきてくれると思っています」とさらなる飛躍を期待している。