重賞ウィナーレポート

2025年10月18日 富士S G2

2025年10月18日 東京競馬場 曇 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ガイアフォース

プロフィール

生年月日
2019年02月21日 06歳
性別/毛色
牡/芦毛
戦績
国内:18戦4勝
総収得賞金
373,344,000円
キタサンブラック
母 (母父)
ナターレ  by  クロフネ(USA)
馬主
KRジャパン
生産者
追分ファーム (安平)
調教師
杉山 晴紀
騎手
横山 武史

 今年の富士S(G2)を勝利したのは、追分ファーム生産馬のガイアフォース。2022年のセントライト記念(G2)以来、約3年1か月ぶりの勝利となった。

 「距離だけでなく、ダートでも好走を見せていただけでなく、鞍上が変わっても、しっかりと走り抜いてくれた姿には頭が下がります」と話すのは、騎乗育成を手掛けてきた追分ファームリリーバレーの平沼敏幸厩舎長。この活躍を見ると、育成時から誰でも乗りこなせる馬かと思ってしまうが、実のところは正反対と言えるほどにやんちゃな馬だった。

 「厩舎に送り出してからも、毎年のように夏は牧場で調教を行ってきました。若かった頃は元気が有り余っていましたが、年齢と共に落ち着きも見られるようになっていき、今年の夏はゆったりと乗れるようになりました」

 これまでの調整では、ガイアフォースを乗りこなせるスタッフに調教を任せていたが、今年の夏は若手スタッフに乗せるようにもしていた。

 「これだけの馬だけに、スタッフにとってもいい経験になればとの考えはありました。この春は海外遠征(チャンピオンズマイル(G1))から、安田記念(G1)のローテーションとなりましたが、その疲れも見られず、この夏の札幌開催を使うために、調教の強度を上げていった馬たちとも併せ馬を行っていました」

 その時もガイアフォースは前向きさを見せながらも、折り合いの不安を感じさせない走りを見せていた。杉山厩舎に戻ってからも順調に調整が行われていき、安田記念(G1)以来、約4か月振りのレースとなる富士S(G2)では、3番人気の評価を受ける。

 「プラス2kgでのレースとなりましたが、あまり馬体を増やさずにレースに臨みたいと思っていただけに、思っていた通りの馬体重でした。パドックでの歩様も良かったので、いい状態でレースに臨めると期待をしていました」

 ゲートが開くと1番人気のジャンタルマンタルが飛び出していく中、ガイアフォースも好スタートを決めて、逃げたグリューネグリーンの後ろでレースを進めていく。最後の直線に入るとグリューネグリーンを交わして先頭に躍り出るも、そのすぐ後ろにはジャンタルマンタルが控えていた。

 「ジャンタルマンタルは決め手のある馬だけに、直線では抜かれるのではとひやひやしていました」

 安田記念(G1)でも上位争いを繰り広げた2頭であるが、その時は先に抜け出したジャンタルマンタルを、1馬身半差ガイアフォースが捉え切れないでいた。

 「凌ぎ切ったのは斤量差もあるかと思います。それでもジャンタルマンタルにここで勝てたのは、次に繋がると思っています」

 平沼敏幸厩舎長が話す「次」とはマイルChS(G1)。これまで海外遠征も含めて、G1レースには9度出走しているガイアフォースであるが、マイルChS(G1)の出走はこれが初めてとなる。

 「京都のマイル戦はマイラーズC(G2)で2着となっているように、ガイアフォースにとって適した条件だと思っています。前でも後ろからでもレースができる馬ですが、どんな展開でも力を出し切って欲しいと思います」とエールを送る平沼敏幸厩舎長。能力の高さはそのままに、心身ともに更に充実期を迎えた感もある、ガイアフォースの走りから目が離せない。