2025年08月17日 中京記念 G3
優勝馬:マピュース
プロフィール
- 生年月日
- 2022年03月26日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/栗毛
- 戦績
- 国内:7戦3勝
- 総収得賞金
- 95,642,000円
- 母 (母父)
- フィルムフランセ by シンボリクリスエス(USA)
- 馬主
- 吉本 雄二
- 生産者
- 社台ファーム (千歳)
- 調教師
- 和田 勇介
- 騎手
- 横山 武史
長きに渡り、ハンデ戦として競馬ファンに親しまれてきた中京記念(G3)だが、本年度から別定戦として開催。開催時期も早春を迎える3月から、残暑の残る8月に移行された。
新装された中京記念(G3)の勝馬となったのは、フランス語で「かわいい子」の意味を持つマピュース。今年の春は牝馬クラシック戦線で活躍を見せており、クイーンC(G3)では2着、桜花賞(G1)でも4着となった実力馬ながらも、別定戦ということもあり、斤量はメンバー中で最も軽い52kgでの出走となった。
「クイーンC(G3)で重賞まであと一歩の走りを見せてくれただけでなく、その後の桜花賞(G1)でも人気以上の走りで4着となった姿には、牧場に活気を与えてくれました」と話す社台ファームの東礼治郎場長。NHKマイルC(G1)(7着)のあとは、社台ファーム山元トレーニングセンターで調整が行われており、東礼治郎場長の元にも順調に調整されているとの報告が入っていた。
最終追い切りでは、馬なりながらも軽快な走りで坂路を駆け上がり、好調をアピールしていたが、以前の施行時期もあってのことだが、これまでの中京記念(G3)で3歳牝馬の勝利は1頭もいなかっただけでなく、今年は関東からの遠征もマピュースだけとなっていた。
ゲートが開き、まずハナを奪っていったのは、同じ3歳馬のシンフォーエバー。最内枠からの出走となったマピュースも好スタートを決めると、後続との差を放していくシンフォーエバーの3馬身程後方からレースを運んでいく。
そのまま隊列は変わることなく、中京競馬場の直線コースへと入っていく。そのまま逃げ切るかと思われたシンフォーエバーであるが、一歩一歩迫ってきたのはその後ろで脚を溜めていたマピュース。ゴール前では図ったかのようにクビ差だけ交わしてみせた。
「2歳の秋から重賞を沸かしてきたような実力馬たちと、切磋琢磨して蓄えてきた自力が、ここにきて花を咲かせたのでしょう。今年は日本全国が酷暑となった中、管理をする和田勇介調教師や、厩舎の皆さんも本馬の体調管理は気を使ってもらった結果だと思います。そして、初コンビながらも52kgの斤量でレースに騎乗すべく、減量をしてくださった横山武史騎手にも感謝しかありません」
そして東礼治郎場長は、史上初の快挙を成し遂げたマピュースに対しても感謝の言葉を送る。
「古馬とは初めてのレースとなったにも関わらず、強いレースを見せてくれました。いつかは重賞タイトルを期待していた馬でしたが、ここでの重賞タイトル獲得に至ったことを興奮しています」
次走は再び同世代の3歳牝馬との戦いとなる秋華賞(G1)へと出走。これまでの7戦は全てマイル戦であり、芝2,000mは初めてのレースとなる。調教では長めの距離を乗り込まれており、折り合いの不安も感じさせていない。
春のクラシック戦線では後塵を拝したマピュースであるが、古馬との対戦で力を蓄えた「かわいい子」が、G1でもあっという走りを見せるのかもしれない。