重賞ウィナーレポート

2025年05月03日 京王杯スプリングC G2

2025年05月03日 東京競馬場 晴 良 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:トウシンマカオ

プロフィール

生年月日
2019年05月01日 06歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:22戦8勝
総収得賞金
447,483,000円
ビッグアーサー
母 (母父)
ユキノマーメイド  by  スペシャルウィーク
馬主
(株) サトー
生産者
服部 牧場 (静内)
調教師
高柳 瑞樹
騎手
横山 武史

 優勝馬には安田記念(G1)への優先出走権が付与される「第70回京王杯スプリングカップ(G2)」が5月3日に東京競馬場芝1,400mで行われ、先行集団を見るような位置でレースを進めた横山武史騎手騎乗の2番人気トウシンマカオが最後の直線で馬場の真ん中を切り裂くように伸びて先頭ゴールイン。記録した1分18秒3は2002年にマグナーテンが新潟競馬場で記録した日本レコードを一気に0秒7更新する破格のもの。ゴール前で最大のライバルであるママコチャを楽に交わして突き離して優勝し、通算成績を23戦8勝2着2回3着2回(JRA重賞優勝5勝)とした。高柳瑞樹調教師のJRA重賞制覇は今年の青葉賞(G2)(優勝馬エネルジコ)に続くもので通算10勝目。横山武史騎手にとっては今年の根岸S(G3)(優勝馬コスタノヴァ)に続くもので通算25勝目となった。

 トウシンマカオの生まれ故郷は新ひだか町の服部牧場。1959年(昭和34年)創業という老舗牧場で現在は新ひだか町静内神森の本場と新冠町西泊津に分場で「丈夫で健康で長く走ってくれる馬をつくり、生産馬すべてが、まずJRAで1勝すること」を最大の目標に配合、飼養管理、土壌管理、スタッフの意識づくりなどに取り組んでいる。同牧場3代目当主の服部健太郎さんは「日ごろから懇意にしていただいている高柳瑞樹調教師からは調子は良いと聞いていましたし、当日は府中に行くつもりでしたが、急遽キャンセルになってしまい牧場でテレビ観戦でした」と少し残念そうに話してくれた。

 「外枠はむしろ得意と思っていましたし、横山武史騎手もスタートを上手に出て、うまくリードしてくれたと思います。相手は強い馬ばかりですから、最後はハラハラでしたが、前日に少し雨が降ったという状況下でのレコードタイムには驚かされました」とレースを振り返り「あとでVTRを見直したら、ライブ中継で見ていたときよりも楽だったのでもう1度驚きました」と笑顔を広げた。

 そんなトウシンマカオだが、牧場時代は「(母の父スペシャルウィークに似たところがある)少し薄手で背の高い馬」だったという。兄姉がある程度までは距離をこなしてくれたことから、ビッグアーサーとの配合は「スピードを意識した」といい「2歳から3歳春頃までは1,600mくらいまでは我慢してくれるはず」と思っていたそうだ。実際、朝日杯フューチュリティS(G1)やNHKマイルカップ(G1)にも挑戦している。

 しかし、結果的にはスプリンターとして花開かせることとなった。「高柳瑞樹調教師とそのスタッフの方々が、この馬のスプリンターとしての潜在素材を理解して、成功するよう陣営が日々努力してくれたお陰だと感謝の気持ちで一杯です。結果として6歳になってJRA重賞5勝目。これは生産者冥利につきます」と感謝の言葉を述べた。

 そして「ここまで頑張ってくれた馬ですから、引退後は種牡馬になって欲しいと思っています。そのためにはG1タイトルを獲って欲しい」とエールを送る。優先出走権を得た安田記念(G1)ではなく、秋はセントウルS(G2)からスプリンターズS(G1)への挑戦が発表されている。

 「この馬の特性を考えたうえでの決定だと思います。頑張ってほしい」と期待に胸を膨らませている。