2025年04月27日 フローラS G2
優勝馬:カムニャック
プロフィール
- 生年月日
- 2022年04月14日 03歳
- 性別/毛色
- 牝/鹿毛
- 戦績
- 国内:4戦2勝
- 総収得賞金
- 244,421,000円
- 馬主
- 金子真人ホールディングス (株)
- 生産者
- 社台ファーム (千歳)
- 調教師
- 友道 康夫
- 騎手
- A.シュタルケ
2009年に日高町のブリーダーズ・スタリオン・ステーションで種牡馬入りしたブラックタイドは、2012年には初年度産駒となるテイエムイナズマがデイリー杯2歳S(G2)を優勝。その後も毎年のように重賞勝馬を送り出していった中で、3年目の産駒となるキタサンブラックがG1を7勝する活躍を見せる。
そのキタサンブラックは、安平町の社台スタリオンステーションでの種牡馬入り後、初年度産駒からG1 6勝馬のイクイノックスを送り出すなど種牡馬としても大成功をおさめただけでなく、イクイノックスを始めとする後継種牡馬たちも父系を広げている。
ただ、祖父であるブラックタイドの活力も衰えることなく20歳の時に母のダンスアミーガと配合を行うと、その次の年に誕生したカムニャックが今年のフローラS(G2)をレースレコード(1分58秒6)で優勝。オークス(G1)に名乗りをあげた。
「カムニャックは2023年のセレクトセール1歳セッションで、金子オーナー(落札名義と馬主登録は金子真人ホールディングス)から高い評価(7,700万円(税込))で落札していただけた馬となります」と話すのは社台ファームの中田守イヤリング主任。その時のセレクトセール1歳セッションでのブラックタイド産駒はカムニャック1頭だけであり、父のブラックタイドも所有していた金子オーナーが誰よりも高くこの血統馬を評価していたとも言える。
カムニャックは曽祖母にオークスとエリザベス女王杯を制した、ダンスパートナーの名前がある。その母となるダンシングキイだが、ダンスパートナーの全兄弟となるダンスインザダーク、ダンスインザムードもG1馬となっている。
この牝系からは国内外でも多くの重賞馬が誕生しており、まさに社台ファームを代表する良血馬であるカムニャックは「お嬢様」と呼びたくなるような気性の難しさを垣間見せることもあった。
「イヤリングで管理していた頃の話となりますが、放牧していればなんら問題なかったのですが少しでも厩舎に置いておく時間が長くなると我の強さを出してきて大変でした」(中田守主任)
それでも放牧地を駆け回る姿には柔軟さも見られており、首の使い方を含めた全身を使った走りからも、能力の高さを感じさせていたという。
デビュー戦は2歳8月のメイクデビュー中京となったが、単勝1.2倍という圧倒的な支持に応えての快勝。続くアルテミスS(G3)では1番人気を背負ったものの、6着に敗れただけでなくエルフィンSでも4着に敗れてしまう。
「新馬戦の後は暑い時期にレースを使ったことによる、ダメージ回復に時間がかかってしまいました。ただ、中間の管理を行っていた社台ファーム鈴鹿のスタッフからは復調気配とも聞いていましたので、レース前から期待をしていました」
フローラS(G2)は前走のエルフィンSよりもマイナス12kg(470kg)でのレースとなったが、社台ファーム鈴鹿で乗り込まれてきた馬体は、ここにむけてきっちりと仕上げられた感もあった。スローペースとなった道中は、行きたがるような素振りも見せたものの、馬群の中に入れて折り合いが付けられると、2ハロン過ぎから加速を開始。残り100mで先頭に立つと、そのままゴールまで押し切ってみせた。
「良いレースを見せてくれたことにほっとしています。同じ東京コースで行われる、オークス(G1)での好走も期待しています」と中田守主任は期待を寄せる。父ブラックタイド、母父サクラバクシンオーとの配合は、キタサンブラックとも同じニックス配合。そこに母系のポテンシャルの高さも加味されれば、今年24歳となった父にG1タイトルを授けるのも可能かもしれない。