2025年04月05日 チャーチルダウンズC G3
優勝馬:ランスオブカオス
プロフィール
- 生年月日
- 2022年03月27日 03歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:4戦2勝
- 総収得賞金
- 76,838,000円
- 馬主
- 五影 慶則
- 生産者
- フジワラフアーム (静内)
- 調教師
- 奥村 豊
- 騎手
- 吉村 誠之助
上位3着馬までにNHKマイルカップ(G1)への優先出走権が付与される性格はそのままにアーリントンカップ(G3)改め「第34回チャーチルダウンズカップ(G3)」が4月5日、阪神競馬場で行われ、好位で流れにのった吉村誠之助騎手騎乗の2番人気が、最後の直線で狭いところを割って抜け出したランスオブカオスが先頭ゴールイン。3度目のJRA重賞挑戦で初の栄冠に輝いた。奥村豊調教師にとっては2023年の小倉サマージャンプS(JG3)(優勝馬テーオーソクラテス)以来の重賞勝利で通算5勝目、吉村誠之助騎手にとっては8度目のJRA重賞騎乗で嬉しい初勝利(*当時)となった。
同馬を生産したのは新ひだか町フジワラファーム。1958年に創業された総合牧場で、現在は年間4-50頭ほど生産し、現在は生産10名、育成15名のスタッフとともに「スタッフの意見を尊重し、働く人同士のコミュニケーションを密にすること」というモットーと、広い放牧地、全長1,200mウッドチップ坂路などを使って生産から中期育成、後期育成などを手掛けている。
この日、藤原俊哉代表は競馬場へと足を運び、実子の藤原凌一さん(31歳)はスタッフと一緒に牧場のテレビから愛馬に声援を送っていたそうだ。
「テレビの画面越しではありましたが、仕上がりも良く見えました。調教も順調にいっていると聞いていたので、これならば吉村誠之助騎手も自信をもってレースに臨めるのではないかと感じましたし、私自身も勝利を意識することが出来ました」とレース前は思っていたそうだが、実際のレースでも思い描いていたとおりの結果となった。
「導いてくれた吉村誠之助騎手、30年も前からお付き合いいただいている五影オーナーに感謝の気持ちで一杯です」と白い歯を見せた。
牧場時代のランスオブカオスは、母ハイドランにとっての初仔ということもあってやや小ぶりではあったが、病気も怪我もなく、とにかく馬体のバランスが際立っていたという。
「母親のハイドランは気性の激しい馬ですので、子供が生まれるまでは色々と心配していたのですが、出産後は乳もうまく飲ませるし、子育て上手な母馬でした」と牧場時代の思い出を話してくれた。
その母親の手を離れた「ハイドラン2022」ことランスオブカオスは中期育成を無事に過ごし、アスリートしての素質を開花させていく。「育成に入ってからは、走る姿勢のバランスが優れている馬でした。そして何よりも騎乗者からの指示への呑み込みが速く、性格的も肝が据わっていて、その強靭な精神力はあたまひとつ抜けていました」という。
そして次走はG1獲りに挑むことになる。「五影オーナーに恩返しをできればという気持ちが強いです」という。「奥村豊厩舎のスタッフと吉村誠之助騎手にお任せするしかありませんが、とにかくランスオブカオスには頑張って欲しい」と2017年の桜花賞(G1)(レーヌミノル)以来のG1勝利を願っている。