重賞ウィナーレポート

2025年03月22日 ファルコンS G3

2025年03月22日 中京競馬場 晴 良 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ヤンキーバローズ

プロフィール

生年月日
2022年02月13日 03歳
性別/毛色
牡/青毛
戦績
国内:5戦2勝
総収得賞金
67,514,000円
馬主
猪熊 広次
生産者
富田牧場 (浦河)
調教師
上村 洋行
騎手
岩田 望来

 5月に東京競馬場で行われるNHKマイルカップ(G1)への重要な前哨戦「第39回ファルコンS(G3)」が3月22日、中京競馬場芝1,400mで行われ、10分の8という抽選をくぐり抜けた岩田望来騎手騎乗の3番人気ヤンキーバローズが最後の直線で外から力強く追い込み、3度目の重賞挑戦で初のタイトルに輝いた。上村洋行調教師にとっては昨年の阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)(優勝馬アルマヴェローチェ)に続くJRA重賞勝利で通算7勝目(*当時)。手綱を取った岩田望来騎手にとっては今年の京都記念(G2)(同ヨーホーレイク)に続くもので通算14勝目(*当時)の重賞勝利となった。

 ヤンキーバローズの生まれ故郷は浦河町の富田牧場。1940年創業という長い歴史を持つ牧場で、早くから中期育成を重要視し、天皇賞馬カミノテシオや日本ダービー2着馬インターグッド、京都記念(G2)など重賞2勝ナイスナイスナイス。近年ではゼルトザーム(2023年函館2歳S(G3))やヴェンジェンス(2019年みやこS(G3))、サンライズソア(2018年平安S(G3))などを送り出しており、現在は10人ほどのスタッフで約30頭の繁殖牝馬を管理している。ヤンキーバローズの母キャンディバローズも2015年ファンタジーS(G3)優勝馬。この勝利は同一牧場生産馬による母仔制覇となった。

 「キャンディバローズの時は5頭が横一線で、今回は4頭が横一戦。道中の位置取りは母親の方が少し前で、今回はさらに外から脚を伸ばしてくる馬もいましたが、同じように外から前の馬をとらえて勝ってくれた。レースのあとはキャンディバローズの勝利を思い出しましたよ」と話してくれたのは同牧場の3代目当主となる富田秀一さん。「新馬戦が少頭だったとはいえ、強い勝ち方をしてくれた馬。その後も重賞競走で惜しい競馬があって、今度こその思いがありました。多くの方々が期待してくれた馬でもありますし、この勝利が母仔でお世話になったオーナーに少しでも恩返しが出来てよかった」とほっとしたような表情で話してくれた。

 エピファネイアとの配合は富田秀一さん自身が決めたそうだ。「キャンディバローズが大きな馬ではなく、産駒もそういったタイプの馬が多かったので仔出しの大きな馬の中から相性の良さそうな馬を選びました」とその理由を言い、生まれた仔は「ファミリーに共通する強い気性はそのままに、馬格に恵まれました。思い通りというよりも思った以上に素晴らしい馬でした」と白い歯を見せ「ヤンキーバローズの祖母アフレタータは縁あって当牧場に来てくれた馬ですが、その仔はキャンディバローズはじめファインチョイス(函館2歳S(G3))やアットウィル(クローバー賞)など早い時期から高いレベルで活躍し、息の長い競走生活を送ってくれる。これほどの繁殖牝馬に巡り合えたことは生産者として幸せなこと」と笑顔を広げている。

 そして、さらなる高みを目指してNHKマイルカップ(G1)へと駒を進める予定だ。「前進気勢の強い馬ですが、折り合いさえつけば良い脚を使ってくれる。ここまで馬が頑張ってくれるのは、自分の手を離れたあと馬を鍛えてくれたヒダカシーサイドファーム(中期育成牧場)や上村洋行厩舎の方々、チャンピオンヒルズなど、これまでかかわったすべての方々のおかげ。そういった方々のためにも悔いの残らないレースをして欲しい」と期待している。