重賞ウィナーレポート

2025年03月16日 スプリングS G2

2025年03月16日 中山競馬場 小雨 重 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ピコチャンブラック

プロフィール

生年月日
2022年04月24日 03歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:4戦2勝
総収得賞金
68,894,000円
キタサンブラック
母 (母父)
トランプクイーン  by  ネオユニヴァース
馬主
石部 美恵子
生産者
チャンピオンズファーム (新ひだ)
調教師
上原 佑紀
騎手
石橋 脩

 上位3頭までに皐月賞(G1)の優先出走権が付与される「第74回スプリングS(G2)」が3月16日、中山競馬場芝1,800m(重)12頭立てで行われ、新ひだか町のチャンピオンズファーム生産で2番人気のピコチャンブラック(牡、父キタサンブラック、母トランプクイーン、その父ネオユニヴァース)が優勝。祖父ブラックタイド、父キタサンブラックに次いで同競走を親子3代で優勝した。また同馬の管理調教師は開業3年目の上原佑紀は重賞初優勝。父の上原博之調教師(2020年ガロアクリーク)との同レース父子2代制覇となった。石橋脩騎手にとっては2023年のステイヤーズS(G2)(優勝馬アイアンバローズ)以来の重賞勝利で通算25勝目となった。

 チャンピオンズファームは2000年に設立された総合牧場。北海道の新ひだか町と千歳市、滋賀県の施設を使い、生産から育成、調教を行っており、年間の生産頭数は約60頭。生産馬によるJRA重賞勝利は3年連続4回目となった。

 「当日は繁殖シーズンの繁忙期。繁殖スタッフみんな揃ってテレビでの応援となりました。育成担当の菅原専務からは、追い切りの動きから状態は良いと聞かされていたので楽しみにしていました」というのは生産を担当している山崎さん。

 「3角で先頭に立ってからは、とにかく頑張れ、頑張れと。ゴールした瞬間はとにかく『嬉しい』のひと言。言葉になりません」と喜びを表現してくれた。

 母のトランプクイーンはノーザンファーム生産馬。(株)ジェイエス主催の繁殖馬セール取引馬。クロフネの仔を受胎した状態で上場され、チャンピオンズファームが1,728万円(税込)で落札している。

 「トランプクイーンはバレークイーン(フサイチコンコルドなどの母)22歳時の産駒。バレークイーンにとっては最後の仔です。トランプクイーン自身は未勝利でしたが、フサイチコンコルドは個人的に好きな馬。そういう意味でも格別の勝利です」と言葉を弾ませた。

 牧場時代のピコチャンブラックは「賢くて人間の指示に従順に従ってくれる優等生」。加えて、約60頭いた同期生の中でも「馬体の美しさは群を抜いていました」と言い、上原佑紀調教師も牧場に足を運ぶたびに褒めてくれていたという。

 そして、この勝利で堂々とクラシック第一弾の皐月賞(G1)へと駒を進めることになる。「クラシック競走ともなれば強い馬が集まってきますし、多頭数になればピコチャンブラックへのマークもきつくなると思います。とにかくゲートを無事に出て、上手く先行してくれて、馬が気分よく走ってくれれば自ずと良い結果がついてくるのではと思います」とやや控えめに期待の言葉を口にした。

 現在、繁殖スタッフは日本人7名・外国人(インド・フィリピン)7名の計14名。繁忙期は育成スタッフからも応援があるそうだ。「今年はこれまで40頭くらい生まれていますので、あと20頭ほど。そろそろ疲れもピークを迎える頃ですが、ピコチャンブラックなど生産馬の活躍が何よりも励みになります」と笑顔で締めくくってくれた。