重賞ウィナーレポート

2025年02月16日 共同通信杯 G3

2025年02月16日 東京競馬場 曇 良 芝 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:マスカレードボール

プロフィール

生年月日
2022年03月02日 03歳
性別/毛色
牡/黒鹿毛
戦績
国内:4戦3勝
総収得賞金
119,710,000円
ドゥラメンテ
母 (母父)
マスクオフ  by  ディープインパクト
馬主
(有) 社台レースホース
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
手塚 貴久
騎手
坂井 瑠星
  • 海外の牧場のような事務所
    海外の牧場のような事務所
  • 先日まで2歳馬の取材も行われていた
    先日まで2歳馬の取材も行われていた

 8月のメイクデビュー新潟に続き、10月のアイビーSも優勝を遂げたマスカレードボール。初の重賞挑戦となるホープフルS(G1)では11着に敗れたものの、仕切り直しとなる共同通信杯(G3)では見事、1番人気に応える勝利をあげた。

 「この中間は心身ともにリフレッシュを図るべく、放牧先と管理を行っている手塚厩舎とで、前走(ホープフルS(G1))の敗因の炙り出しを図ってきました」と話すのは社台ファームの東礼治郎場長。マスカレードボールは祖祖母にあたるヴアインゴールドを1980年代後期に北米から社台ファームに導入。娘のビハインドザマスクはスワンS(G2)、セントウルS(G3)、京都牝馬S(G3)と重賞3勝をあげる活躍を見せただけでなく、その牝系からはコイウタ(ヴィクトリアマイル(Jpn1)、クイーンC(G3))、サンライズソア(平安S(G3)、名古屋大賞典(Jpn3))など、芝、ダートを問わずに重賞級の活躍馬を送り出している。

 マスカレードポールの姉となるマスクトディーヴァもローズS(G2)と阪神牝馬S(G2)の優勝馬であり、改めてこの牝系の衰えぬ活力と、母マスクオフの繁殖牝馬としての優秀さを証明することともなった。

 「手塚先生や厩舎スタッフの皆さんとの話し合いの中で確認された課題を塗りつぶしていくだけでなく、その課題をみんなで共有するためには、前走からの約2か月は必要な時間だったと思います。それが結果となって表れたのが、共同通信杯(G3)の走りでした」(東礼治郎場長)

 ホープフルS(G1)の敗因の一つには、レースにおけるテンションの高さもあった中、中間は坂路調教をメインにしただけでなく、パシファイアーも着用するなど、気性面もケアする形でレースへと臨んでいった。

 それはレースにおける折り合いの良さとしても現れた。道中は3番手追走から、直線で一気に加速。インコースから脚を伸ばしてきたカラマティアノスの追撃を振り切る完勝となった。

 「人気に応える走りを見せてくれたことも嬉しかったですが、それと同時に、クラシックへ向けて明るい光が差し込んできたような走りともなりました」

 2015年の共同通信杯(G3)に出走した父ドゥラメンテは、2着となったものの、そのリベンジを果たす形となっただけでなく、その後、皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)と牡馬2冠馬となった父の後を追っていくような活躍も期待させるレースとなった。

 「まだまだ幼さこそ残っていますが、成長力のある血統だけに、本番でも存分に力を発揮して欲しいです」と東礼治郎場長。牧場ゆかりの名牝系から、再びG1馬誕生となっていきそうだ。