2025年01月25日 小倉牝馬S G3
優勝馬:フェアエールング
プロフィール
- 生年月日
- 2020年03月18日 05歳
- 性別/毛色
- 牝/芦毛
- 戦績
- 国内:17戦5勝
- 総収得賞金
- 100,109,000円
- 馬主
- (株) サラブレッドクラブ・ラフィアン
- 生産者
- ビッグレッドファーム (新冠)
- 調教師
- 和田 正一郎
- 騎手
- 丹内 祐次
4歳以上牝馬によるハンデキャップ重賞「第1回小倉牝馬S(G3)」が1月25日、小倉競馬場芝2,000mを舞台に行われ、中団からレースを進めた7番人気フェアエールングが最後の直線で力強く末脚を伸ばし、ゴール前で杉原誠人騎手騎乗の3番人気シンティレーションと馬体を併せてゴールイン。重賞競走としては2021年のチューリップ賞(G2)以来の同着決着となった。和田正一郎調教師にとっては2023年フラワーC(G3)(優勝馬エミュー)以来のJRA重賞勝利で通算22勝目。手綱を取った丹内祐次騎手にとっては昨年のクイーンS(G3)(優勝馬コガネノソラ)に続くJRA重賞勝利で通算7勝目の重賞勝利となった。
フェアエールングの生まれ故郷は新冠町のビッグレッドファーム。1974年創業の総合牧場で、現在は北海道と茨城県に計7つの牧場で生産から育成、調教を行っている。生産馬のJRA重賞勝利は昨年のクイーンS(G3)に続くもので、この勝利により3年連続、通算39勝目の重賞勝利となった。
記念すべき第1回競走にコガネノソラとフェアエールングの生産馬2頭を送り出したビッグレッドファームの蛯名聡ゼネラルマネージャーは「実績はコガネノソラの方が上でしたが、このレースはハンデ戦。ゴールドシップ産駒らしい成長力を発揮し、充実著しいフェアエールングにもチャンスは十分にある」と思っていたそうだ。
同馬は2歳7月に福島競馬場でデビュー。当時は420kg台という小柄な馬だったが、その初戦を逃げてあっさりと勝利すると、続く2戦目は半姉マイネグレヴィル、半兄マイネルシュバリエが2着と好走した札幌2歳S(G3)に挑戦している。
「曾祖母オカノブルーからヒンドバースにさかのぼる母系は長く活躍馬を出し続けている牧場ゆかりのファミリーです。この馬も育成を始めた頃から動きの良い馬だとスタッフの間で評判になっていましたが、デビュー当時はまだ線が細く成長途上。2歳7月のデビュー戦は育成スタッフにとっては予想通りの勝利だったかもしれませんが、当時の私は正直いって半信半疑。でも、あの1戦で高い素質を確信しました」と振り返ってくれた。
ゆっくりと、しかしそれでも確実に成長を重ね、昨年夏の札幌競馬で4勝目。420kg台の馬体重はいつの間にか、450kg台にまで成長していた。久しぶりの重賞挑戦となった昨秋の福島記念(G3)は輸送で大きく体重を減らしながらも牡馬を相手に馬群を割るようにして2着。先行力を武器にしていたイメージを一変させるとともに、重賞でも差のない能力を備えた事を示している。
そして迎えた第1回小倉牝馬S(G3)。早めに小倉競馬場に入厩して体調を整えられたフェアエールングは体重を12kg戻して挑み、デビュー17戦目、3度目の重賞挑戦で初のタイトルを手中にした。
「牧場事務所からの応援で、最後の直線は無意識にコガネノソラを探してしまいましたが、今回はゴールドシップ産駒の渋太さを十分に発揮したフェアエールングに軍配が上がった。そんなレースだったと思います」と笑顔を広げ「大きなタイトルを獲ってくれましたので、まずは無事に。そして次の目標に向かって一歩ずつ歩を進めて欲しいと願っていますし、牧場にとっては、このファミリーをさらに繁栄させてくれる存在になって欲しい」と願っている。