重賞ウィナーレポート

2025年01月05日 中山金杯 G3

2025年01月05日 中山競馬場 曇 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:アルナシーム

プロフィール

生年月日
2019年04月14日 06歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:23戦7勝
総収得賞金
205,272,000円
モーリス
母 (母父)
ジュベルアリ  by  ディープインパクト
馬主
ライオンレースホース (株)
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
橋口 慎介
騎手
藤岡 佑介

 昨年の中京記念(G3)で初重賞制覇を果たしたアルナシームが、今年最初となる中山金杯(G3)で重賞2勝目をあげた。

 アルナシームの騎乗育成を手掛けたのは、ノーザンファーム空港牧場のB-5厩舎。実は昨年末、中央競馬では最後のG1レースとなった、ホープフルS(G1)の勝馬のクロワデュノールもB-5厩舎の育成馬となる。

 「昨年末から上手くいきすぎですね。ここまで育成馬たちが活躍してくれると、気を引き締めなければ、との気持ちにもなっています」と笑顔で話すのは、ノーザンファーム空港の佐々木淳吏厩舎長。これまでは芝のマイル戦を中心にレースを使われてきたアルナシームであったが、中京記念(G3)は芝1,800m、そして中山金杯(G3)は芝2,000mと、距離を伸ばしながら結果を残している。

 「中京記念(G3)の時にも話したように、能力的には中距離に適性がありながらも、前向きな気性もあって、芝のマイルを中心としたローテーションで競馬を使われてきました。芝2,000mはこれまで結果の出ていないカテゴリーでもあり、ここまでの成長も含めて、今後を占うレースになると思っていました」(佐々木淳吏厩舎長)

 前走のマイルChS(G1)のあと、鞍上を務めた藤岡佑介騎手は、「マイルG1だとスピードの違いもあって、ポジションを徐々に下げてしまいました」とのコメントを残していた。

 「年齢と共にがむしゃらさも抜けてきただけでなく、厩舎やノーザンファームしがらきでの調教や、これまで騎乗してきた騎手の方も折り合いを教えてくれたことが、距離の幅を広げてくれたのだと思います。マイルの京都金杯(G3)ではなく、距離を延ばしても中山金杯(G3)を選択したのは、好成績を残していた右回りだったのもあったと聞いています」

 重賞馬ということもあってハンデは58kgに設定されたが、それすら全く問題の無いような走りをアルナシームは見せていく。1番人気のクリスマスパレードがハナを主張し、2番人気のホウオウビスケッツが2番手となったレースは、前半の1,000mを58秒7で通過していく。

 中団よりやや後方のインコースからレースを進めていたアルナシームは、縦長になった馬群の隙間を縫うように先頭との差を縮めていく。4コーナーのカーブでは馬場の真ん中に進路を構えると、逃げ粘るクリスマスパレードと、追いすがるホウオウビスケッツを射程圏内に置く。最後の急坂を上り終えると、そこから更に一延びし、その勢いのままにゴール板を先頭で駆け抜けた。

 「マイルChS(G1)よりも状態は更に良かったようですし、ペースが流れたのもアルナシームにとっては良かったと思います。3コーナーから4コーナーにかけての捌き方も素晴らしかったですし、藤岡佑介騎手の好騎乗もあっての勝利となりました」

 レースの後、サラブレッドクラブライオンからはホームページ上で、次走が3月2日の中山記念(G2)に向かうことが発表された。今回と同じ中山競馬場が舞台であり、距離も中京記念(G3)で制している芝1,800m。今のアルナシームにとっては、打ってつけの条件とも言える。

 「中山記念(G2)は更にメンバーも強くなると思いますが、アルナシーム自身、しっかりと成長しながら、確実にパフォーマンスを上げてくれているので、そこでどんなレースを見せてくれるか楽しみです」と佐々木淳吏厩舎長は期待を寄せる。中山記念(G2)で重賞連勝を果たすようだと、その後に待っているのは大阪杯(G1)となる。6歳にして本格化を迎えた感もある、アルナシームの走りから目が離せない。