2024年11月19日 ラブミーチャン記念(GDJ)
優勝馬:エバーシンス
プロフィール
- 生年月日
- 2022年04月30日 02歳
- 性別/毛色
- 牝/芦毛
- 戦績
- 国内:10戦2勝
- 総収得賞金
- 10,613,000円
- 馬主
- 古賀 和夫
- 生産者
- 対馬 正 (新冠)
- 調教師
- 角田 輝也
- 騎手
- 細川 智史
『グランダム・ジャパン2024』2歳シーズンの第6戦「ラブミーチャン記念(笠松)」は、4番人気のエバーシンス(愛知)が快勝。道中は後方で脚を溜め、最後の直線で外から豪快に伸びて先に抜け出していたプチプラージュ(北海道)を差し切って重賞初勝利。愛知所属馬の同レース優勝は、1988年(当時の名称はプリンセス特別)のリユウコウエンゼル以来、実に36年ぶりのこととなった。
エバーシンスの生まれ故郷は、新冠町若園の対馬正牧場。過去の生産馬には1992年の朝日チャレンジカップ(G3)に勝ったレットイットビーや、2006年のラジオNIKKEI賞(G3)と2009年の京都金杯(G3)を制したタマモサポート、2019年のアイビスサマーダッシュ(G3)優勝馬ライオンボスなどがいて、2023年のファルコンS(G3)優勝馬タマモブラックタイは現役馬として活躍中だ。対馬正さんが昭和46年に競走馬の生産を始め、現在は息子の対馬裕也さんが中心となって繁殖牝馬23頭とその仔たちを管理している。
「北海道や南関東から強い馬が遠征してきていましたし、エバーシンス自身は連闘だったのでさすがに厳しいかなと思いましたが、強い勝ち方をしてくれましたね。名古屋の早い時期の2歳戦は短い距離しかないので、距離が伸びたら変わってくるだろうと思っていましたが、その後も2着、3着がつづいて勝ち上がるのに時間がかかりました」と話す対馬裕也さん。エバーシンスはラブミーチャン記念の8日前、デビュー9戦目の名古屋1,500m戦で初勝利を挙げたばかりだった。
「牧場にいた頃のエバーシンスは、いたって普通の馬でした。病気や怪我をすることもなく、1歳秋のセプテンバーセールに上場するまで順調に育ちました」と当時を思い出す。そのセプテンバーセールでは400万円のスタートから550万円まで競り上がり、以前からお付き合いのあった古賀和夫オーナーが落札。新ひだか町静内のヤマダステーブルで育成を経たのち、愛知・角田輝也厩舎から2歳5月にデビューを果たしている。
エバーシンスの母サンバディは、園田の短距離戦で4勝を挙げたクロフネ産駒。当初はオーナーの預託馬として対馬牧場で繁殖入りしたが、1番仔を産んだあとに対馬牧場が譲り受けた。「ちょうど母の父にクロフネを持つクロノジェネシスやノームコアが大活躍をしている時期で、クロフネ肌の繁殖牝馬を導入したいと思っていたところだったんです。桜花賞馬チアズグレイスなどの活躍馬が多く出ている牝系ですし、フォーティナイナー、ディープインパクト、クロフネと重ねてきた血統も魅力的でした」と母馬導入の経緯についても説明してくれた。その母サンバディはエバーシンスを産んだあと2年つづけて不受胎だったが、現在はオメガパフュームの仔をお腹に宿しており、来年3月上旬に出産予定だという。
「デビューからの約半年間ですでに11戦していますが、これだけ休まずに使いつづけられるのは丈夫な証拠なのでしょうね。これからも順調に競走生活を送っていってほしいと願っています」とエバーシンスにエールを送る対馬裕也さん。クロフネ譲りの芦毛馬が末脚を爆発させ、豪快に差し切るシーンをまた見てみたい。