重賞ウィナーレポート

2024年12月08日 カペラS G3

2024年12月08日 中山競馬場 晴 良 ダ 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ガビーズシスター

プロフィール

生年月日
2021年02月28日 03歳
性別/毛色
牝/栗毛
戦績
国内:8戦5勝
総収得賞金
88,855,000円
アポロキングダム(USA)
母 (母父)
アンジュデトワール  by  スペシャルウィーク
馬主
長島 和彦
生産者
へいはた牧場 (静内)
調教師
森 一誠
騎手
吉田 隼人

 優勝馬には2月にサウジアラビアで行われる国際招待競走リヤドダートスプリント(G3)への優先出走権が与えられるカペラS(G3)が12月8日に中山競馬場で行われ、吉田隼人騎手騎乗の1番人気ガビーズシスターが最後の直線で外から力強く伸びて、1分10秒1(良)で先頭ゴールイン。格上げ初戦、2度目の重賞挑戦で重賞ウィナーの仲間入りを果たした。管理する森一誠調教師はJRA重賞初挑戦初勝利。鞍上の吉田隼人騎手は2023年フィリーズレビュー(G2)(優勝馬シングザットソング)以来の重賞勝利で通算28勝目。馬主の長島和彦氏にとっては、今年2月にガビーズシスターが挑戦したクイーンC(G3)以来2度目の重賞挑戦でJRA重賞初勝利となった。

 ガビーズシスターの生まれ故郷は、昭和41年に創業された新ひだか町のへいはた牧場。1993年のジャパンC(G1)、1992年のセントライト記念(G2)に勝ったレガシーワールドや1973年の宝塚記念に勝ったハマノパレード、あるいは1993年阪急杯(G3)の覇者レガシーフィールドほか1973年の京都大障害(廃止重賞)優勝ブルーホワイトや1999年東京ハイジャンプ(JG2)に勝ったレガシーロックなどを送り出している。現在の生産規模は年間20頭弱。新ひだか町を代表する牧場のひとつだ。

 代表の幣旗芳典さんは「レースは牧場テレビからの応援でしたが、前走の外房ステークスが強い内容でしたし、ダート競馬に限れば4連勝中。どんな競馬をしてくれるのか、たのしみにレースの時間を待っていました」と言い「まだ3歳(当時)牝馬。チャレンジャーのつもりでしたが、私の想像を超えるような強い内容だったと思います。1番人気に応えられて良かった。ほっとしました」と笑顔を広げた。

 母アンジュデトワールはへいはた牧場の生産馬ではないが、縁あって現在も同牧場で繁殖牝馬として生活している。「アンジュデトワールの曾祖母テスコエンゼルは1975年の2冠牝馬テスコガビーの全妹という血統です。テスコガビーは新ひだか町内でも同じ地区の生産馬ですから、これも縁かもしれません」と少し照れたように話し「アンジュデトワールは扱いやすく健康な馬で、当牧場では6年連続で産駒を生んでくれました。ガビーズシスターの全兄にアポロルタという馬がいますが、この馬もタフで丈夫。今も自己条件で元気に走ってくれています。明け2歳のアポロケンタッキー産駒は生産者目線では、とても良い馬だと思います。前オーナーから引き継ぎ、そのまま私どもに預けていただいた長島和彦オーナーには感謝しかありません」とインタビューに応えてくれた。現在はグレナディアガーズを受胎しており、2月上旬に出産予定だという。ガビーズシスターは、そんなアンジュデトワールの第4仔。「牧場時代は健康で手がかからず、おとなしい、扱い易い馬でした。大きなケガや病気もなく育ってくれましたので、逆に印象にはあまり残らないような馬でしたが、長島和彦オーナーの〝思い〟に応える走りをしてくれたことが生産者として嬉しいですし、森一誠調教師、吉田隼人騎手にもお礼を言いたい気持ちです」と喜びを表現してくれた。

 「このあとのコンディション次第だとは思いますが、リヤドダートスプリント(G3)を目標と聞きました。もし遠征が叶えばどんな競馬をしてくれるのか、楽しみです」とエールを送っている。