重賞ウィナーレポート

2024年09月01日 ビューチフルドリーマーC(GDJ)

2024年09月01日 盛岡競馬場 曇 稍重 ダ 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ミニアチュール

プロフィール

生年月日
2020年04月01日 04歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:31戦14勝
総収得賞金
59,982,000円
ラブリーデイ
母 (母父)
ローマンブリッジ  by  ブライアンズタイム(USA)
馬主
平賀 敏男
生産者
下河辺牧場 (門別)
調教師
佐藤 祐司
騎手
佐々木 志音
  • 下河辺牧場の放牧地
    下河辺牧場の放牧地
  • 下河辺牧場の放牧地
    下河辺牧場の放牧地
  • 下河辺牧場の屋内調教施設
    下河辺牧場の屋内調教施設
  • 下河辺牧場のアプローチ
    下河辺牧場のアプローチ

 『グランダム・ジャパン2024』古馬秋シーズンの第6戦「ビューチフルドリーマーカップ(盛岡)」を、地元・岩手のミニアチュール(牝4)が快勝。道中3番手追走から直線入口で2番人気マテリアルガール(浦和)を捕らえ、1番人気ラブラブパイロ(大井)の猛追を振り切って先頭ゴールイン。前年秋のOROオータムティアラ以来、約1年ぶりとなる重賞勝利を飾った。

 ミニアチュールの生まれ故郷は、日高町の下河辺牧場。これまでに数々のG1馬を生産してきた名門牧場だが、三冠牝馬スティルインラブを筆頭に、桜花賞馬アユサン、オークス馬ダイワエルシエーロなど、名牝を数多く送り出している牧場としても知られている。地方競馬で活躍中の現役牝馬にも、ミニアチュールと同じ岩手競馬に重賞11勝を挙げているゴールデンヒーラー(牝6)、また高知競馬には全国の地方競馬を舞台に躍進するアンティキティラ(牝5)などがいて、各世代の下河辺牧場生産馬が『グランダム・ジャパン』シリーズを盛り上げている。

 「ミニアチュールはその名のとおりに生まれた時から小さく、繋ぎも硬くて競走馬としてデビューできるか心配したほどでした。それでも問題なく昼夜放牧をこなしてくれたので、自己所有馬として地方競馬でデビューさせることにしたんです。そしてホッカイドウ競馬で12戦(2勝)したのち、ゴールデンヒーラーを所有する平賀オーナーに購入していただいて岩手へ移籍。そのあと5,000万円以上稼いでいるのですから、たいしたものですよね。うちは基本的にマーケットブリーダーですから、馬を買っていただいたオーナーに喜んでいただくのが一番うれしいんです」と話すのは、下河辺牧場の代表・下河辺行雄さん。岩手移籍後のミニアチュールは水を得た魚のように連勝を重ね、ついには東北優駿(岩手ダービー)も制して岩手3歳二冠を達成。不来方賞は4着に敗れて惜しくも三冠は逃したが、牝馬三冠レースのひまわり賞(オークス)とOROオータムティアラにも優勝し、牡牝あわせて3歳四冠という離れ業をやってのけた。

 「ミニアチュールの祖母メインリーはカナダのチャンピオンホースを出しているファミリーの出身で、米国の繁殖セールで狙いを定めて購入してきた期待の繁殖牝馬だったんです。購入時にお腹に入っていた仔を産んだあと、日本で初めて種付け(ブライアンズタイム)して生まれたのが母のローマンブリッジで、その2歳下の半弟サンライズプリンス(父アグネスタキオン)は2010年のニュージーランドトロフィー(G2)に優勝するなど活躍してくれました」と、ミニアチュールのブラックタイプを見ながら説明してくれた下河辺行雄さん。確かにそのブラックタイプは太字で埋め尽くされ、カナダの2歳牝馬チャンピオンやアメリカのG1を制した馬たちがずらりと並んでいる。

 ミニアチュールの1歳上にはサンライズホーク(セン5)がいて、ダートグレード3勝を挙げるなど現役馬として活躍中。11月4日(振月)に佐賀競馬場で開催されるJBCスプリント(Jpn1)でも期待の1頭となりそうだ。「サンライズホークは生まれた時から本当にあか抜けていて、『サンライズプリンスにも負けないぐらい良い馬ですよ』とオーナーにお薦めしたほど自信があったんです」と、優秀な半兄についても触れてくれた。

 「ミニアチュールは今後も無事に走りつづけて“岩手の星”になってほしいです。そしていつの日か、兄(サンライズホーク)といっしょのレースで走るようなことがあると最高ですね」と笑顔でエールを送る下河辺行雄さん。盛岡競馬場で行われるクラスターカップ(Jpn3)やマイルチャンピオンシップ南部杯(Jpn1)なら、その可能性はゼロではないはず。兄と同じステージへ立てるような活躍を、今後のミニアチュールに期待しよう。