重賞ウィナーレポート

2024年11月30日 ステイヤーズS G2

2024年11月30日 中山競馬場 晴 良 芝 3600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:シュヴァリエローズ

プロフィール

生年月日
2018年05月04日 06歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:31戦5勝
総収得賞金
282,667,000円
ディープインパクト
母 (母父)
ヴィアンローズ(FR)  by  Sevres Rose(IRE)
馬主
(有) キャロットファーム
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
清水 久詞
騎手
北村 友一

 3,600mの距離を走って、2着との差は僅か2cm。競馬だからこそ起こる距離のドラマとも言えるが、その2cmの差はシュヴァリエローズにとって、大きな勝利ともなった。

 「ゴールの瞬間はどちらが勝ったか分かりませんでしたが、シュヴァリエローズ自身の勝気な気持ちが、2cmだけ前に出ていたのではと思いました」とノーザンファーム空港の木村純一厩舎長。この秋は京都大賞典(G2)を制したシュヴァリエローズに加えて、ドウデュース(天皇賞(秋)(G1)、ジャパンC(G1))、ジュンブロッサム(富士S(G2))と厩舎の育成馬たちが重賞を勝利。また、ローシャムパークやセラフィックコールもG1戦線をにぎわせた。

 「育成馬たちが毎週のようにG1や重賞に出てくれるだけでなく、最高の成績を残してくれているのは、育成スタッフとしてとても幸せなことです。その中でも厩舎長となって最初の世代の育成馬であるシュヴァリエローズが、ここにきての重賞を連勝する活躍を残してくれたのは、嬉しさだけでなく、感慨もひとしおです」(木村純一厩舎長)

 前走の京都大賞典(G2)の後は、ノーザンファームしがらきで調整が行われると、11月中旬には管理をする清水久詞厩舎に戻ってきた。

 「ノーザンファームしがらきや清水久詞厩舎で、ベストな状態に管理していただいているのも、近走の走りとして現れていますが、何よりシュヴァリエローズ自身の気持ちの強さが、いまだに途切れていないのが凄いと思います」

 今年の夏はノーザンファーム空港で調整を行ってきたシュヴァリエローズであるが、肉体面の充実だけでなく、まだ走りたいという気持ちが目の輝きからも感じられていたという。

 「この年齢になっても、前向きさが失われていないと思いました。ステイヤーとして新境地を開いていますが、競走馬として完成したこともさることながら、シュヴァリエローズ自身の闘争心があってのことだと思います」

 デビュー戦となった、芝1,600mの倍以上の距離で行われるステイヤーズS(G2)。芝の平地重賞では最長の距離ともなっているが、マイル戦の流れを幾度となく経験してきたはずのシュヴァリエローズは、折り合いの不安も感じさせることなく、レースを進めていく。

 「折り合いだけでなく、位置取りも完璧でした。勝負どころで仕掛けていくタイミングもバッチリで、直線に入った時には勝ったと思いました」

 しかし、そのシュヴァリエローズを目標とするかのように、末脚を伸ばしてきたのがシルブロンだった。

 「勢い的にはゴール前で交わされたかもと思いました。それだけに良く凌ぎ切ってくれたと思います」

 これで重賞2勝目。しかも、3,000m以上の距離でも適性の高さを示したことで、改めてステイヤーとしての評価が高まった。

 「来年は天皇賞(春)(G1)が目標となりそうです。それだけにここを勝って、賞金面での上積みがあったのは良かったです」

 来年で7歳を迎えるシュヴァリエローズであるが、遅咲きのステイヤーとして開花した先には、「ディープインパクト産駒晩年の最高傑作」との評価もついてくるのだろう。