重賞ウィナーレポート

2024年11月10日 エリザベス女王杯 G1

2024年11月10日 京都競馬場 曇 良 芝 2200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:スタニングローズ

プロフィール

生年月日
2019年01月18日 05歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:17戦6勝
総収得賞金
426,216,000円
キングカメハメハ
母 (母父)
ローザブランカ  by  クロフネ(USA)
馬主
(有) サンデーレーシング
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
高野 友和
騎手
C.デムーロ
  • 馬道の除雪はしっかりと行われている
    馬道の除雪はしっかりと行われている
  • スタニングローズがこの夏を過ごした厩舎
    スタニングローズがこの夏を過ごした厩舎

 今年の7月からノーザンファーム空港育成厩舎の管理を任された、ノーザンファーム空港の重永亮厩舎長。その時に管理を任されることとなったのは、2022年の秋華賞(G1)以降、勝ち鞍に見放されていたスタニングローズだった。

 「新しく厩舎長となった自分に、いきなりG1馬の管理を任せてもらえたのは、身の引き締まる思いに加えて、気合も入りました。クイーンS(G3)を使ってきた後ながらも、レースの疲れなどはほとんど見られず、間もなくして乗り運動を再開しました」(重永亮厩舎長)

 初めてスタニングローズの背中に跨った重永亮厩舎長であったが、屋内直線坂路での調教に入った時に、体感の良さと運動神経の良さを感じ取る。

 「ウォーミングアップを兼ねて行った、周回コースでの乗り味とは全く違っていました。馬体重が増えやすい馬だけに、その管理には気を使ってきましたが、いい状態で厩舎に送り出せるとの手ごたえを感じていました」

 レースまではノーザンファームしがらきで管理が行われたスタニングローズは、クイーンS(G3)からプラス6kgの498kgと、充実した馬体で京都競馬場のパドックに姿を見せる。そこには重永亮厩舎長の姿もあった。

 「こちらから送り出した時には、多少、余裕残しの感もありましたが、馬体重は増えていたにも関わらず、全体的に引き締まっていたような印象を受けました。落ち着いて歩いている中にも闘志が感じられており、歩様にも力強さが表れていました」

 唯一の3歳馬となった、昨年のホープフルS(G1)の勝ち馬レガレイラが1番人気を集め、2番人気はデビュー以来、一度も複勝圏を外したことのないホールネスとなった中、スタニングローズはその2頭に続く、3番人気の支持を集めていた。

 「しばらく勝っていなかったにも関わらず、ファンの皆さんから応援してもらえたのは嬉しかったです。それだけに皆さんからの応援に応えるような走りをして欲しいと思ってきましたが、自分たちの想像以上と言えるパフォーマンスを見せてくれました」

 好スタートから4番手の位置でレースを進めたスタニングローズは、3コーナー過ぎから先行馬の外に進路を向けていく。4コーナーのカーブで加速をしていくと、最後の直線では雨を行くコンクシェルを捕らえて先頭に躍り出た。

 「直線に入って抜け出した時には勝ったと思いました。改めて、スタニングローズは強い馬だと証明できたような気持ちになりました」

 ゴール前では後方からラヴェルが追い込んでくるも、2馬身差のセーフティーリードを保ったままゴール。約2年ぶりの勝利は、鮮やかな復活劇ともなった。

 「自分だけでなく、共に働いているスタッフにとっても、自信となったG1勝利となりました。クラブの規定で来年の春に引退となるのは残念ですが、その前にもG1を沸かすような活躍を期待しています」

 次走は有馬記念(G1)の出走を表明。この上り調子のままレースを迎えたのならば、一線級の牡馬が相手でも侮れない1頭となる。