2024年10月19日 富士S G2
優勝馬:ジュンブロッサム
プロフィール
- 生年月日
- 2019年04月15日 05歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:19戦5勝
- 総収得賞金
- 178,038,000円
- 馬主
- 河合 純二
- 生産者
- ノーザンファーム (安平)
- 調教師
- 友道 康夫
- 騎手
- 戸崎 圭太
富士S(G2)までの4勝の中には、2度のレコード勝ちがあるなど、スピード能力の高さを遺憾なく発揮してきたジュンブロッサム。その一方で勝ちあぐねるレースも多かった。
だが、4歳の夏以降は芝のマイルを中心にレースを使われていくと、5歳を迎えた今年6月の水無月Sで待望のオープン入り。ついには、5度目の重賞挑戦となる今年の富士S(G2)で、待望の重賞ウィナーの仲間入りを果たした。
「本格的な乗り運動を始めた頃からスピード能力の高さだけでなく、切れる脚を使えるイメージもありました。その一方で能力の高さに身体がついてきていませんでした。速い時計の調教を行うと、馬体が減ってしまうだけでなく、食いも細くなってしまうので、身体作りには時間をかけていきました」と話すのはノーザンファーム空港の木村純一厩舎長。木村純一厩舎長の手掛けた育成馬では、この前の週に行われた京都大賞典(G2)をシュヴァリエローズが優勝している。そのシュヴァリエローズが厩舎長1年目に仕事を引き継ぐ形の育成馬だった一方で、ジュンブロッサムは乗り慣らしから入厩までの期間を、一から全て手掛けた育成馬でもあった。
「育成馬としてはローシャムパークも同じ世代となります。そのローシャムパークも優れた能力を育成時から感じていただけに、まだ、自分の技術が伴っていれば、2頭共にまだ早い時期に活躍させてあげられたのではとの思いもあります」(木村純一厩舎長)
2歳の10月にメイクデビュー東京で2着となったジュンブロッサムだが、2戦目の未勝利戦で顔を合わせたのが、元僚馬でもあるローシャムパークだった。その時はジュンブロッサムが2歳コースレコードで勝利をおさめるも、先に重賞ウィナーとなったのは、4歳の夏に函館記念(G3)を制したローシャムパークとなった。
「本州へ送り出した時には、まだこちらでやれることがあったのではとの思いもあっただけに、初勝利をあげた時にはノーザンファームしがらきのスタッフや、友道厩舎の皆さんに感謝するだけでなく、相当な器だと思いました」
3歳時には初めての重賞挑戦となる共同通信杯(G3)で4着に入ると、アルメリア賞を挟んで出走したアーリントンCでは、2番人気の指示を集める。そのレースで4着となると、その後も掲示板を外さない走りを見せていき、3歳夏の出雲崎特別で2度目のレコード勝ちをおさめる。
それだけの能力の高さを証明しながらも、勝ちきれないレースが続いていき、3勝目をあげたのは4歳9月のロードカナロアCとなった。
「騎乗していただいた騎手の方のコメントの中には、能力の高さは感じる一方で、身体を上手く使い切れていないとの言葉もありました。ただ、レースを使っていく中で終いの脚をしっかりと使えるようになってきており、課題となっていたスタートの出遅れが無ければ、まだ上の着順に来れるのではとも思っていました」
1番人気の支持を集めた関屋記念(G3)こそ、出遅れが響いて3着に敗れたもの、富士S(G2)ではスムーズなスタートを切ると、中団からレースを進めていく。最後の直線では馬場の真ん中に進路を向けると、先に抜け出したソウルラッシュをきっちりととらえきって見せた。
「前走よりメンバーも強くなっただけに、3着以内に来てくれたらとの気持ちでレースを見ていました。ただ、好スタートからいいポジションをキープしていたので、ここから終いの脚を使えたのなら、チャンスがあると期待をしていたのですが、勝ってくれた時は嬉しかったのと共に驚きもありました」
この勝利でマイルChS(G1)への優先出走権を獲得。これがデビュー以来、初めてのG1挑戦となるが、父のワールドエースも2014年の同レースに出走しており、勝ち馬から0秒6差の8着となっている。
今年のマイルChS(G1)はその父のリベンジを果たす舞台ともなったが、今年のブリーダーズCターフ(G1)で2着となったローシャムパークよりも先に、G1ウィナーとなる可能性も充分にありそうだ。