重賞ウィナーレポート

2024年10月06日 京都大賞典 G2

2024年10月06日 京都競馬場 晴 良 芝 2400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:シュヴァリエローズ

プロフィール

生年月日
2018年05月04日 06歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:30戦4勝
総収得賞金
282,667,000円
ディープインパクト
母 (母父)
ヴィアンローズ(FR)  by  Sevres Rose(IRE)
馬主
(有) キャロットファーム
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
清水 久詞
騎手
北村 友一
  • 育成馬にはドウデュースや、キラーアビリティといったG1馬の名前もある
    育成馬にはドウデュースや、キラーアビリティといったG1馬の名前もある
  • この夏はシュヴァリエローズの調整が行われた
    この夏はシュヴァリエローズの調整が行われた

 ディープインパクトは競走馬としてだけでなく、種牡馬としても素晴らしい成績を残した。特に2歳から3歳にかけての勝ち上がりが目覚ましく、それがクラシックシーズンにおける産駒の活躍にも繋がった感がある。

 シュヴァリエローズもまた、2歳6月のメイクデビュー阪神を快勝。その後は萩Sを優勝してオープン入りを果たすと、3歳時には皐月賞(G1)にも出走した。ただ、オープン入りした多くのディープインパクト産駒が、3歳から4歳にかけて重賞タイトルを奪取していたのとは対照的に、シュヴァリエローズの初重賞制覇は6歳秋の京都大賞典(G2)であり、デビューからちょうど30戦目、9度目の挑戦でのタイトル奪取となった。

 「育成時はディープインパクトらしい、競走能力の高さを感じていました。ただ、馬体も小柄で、成長曲線もゆったりとしていた印象があっただけに、早い時期の移動だけでなく、新馬戦から結果を出してくれたのには驚きました」とはノーザンファーム空港の木村純一厩舎長。萩Sで2勝目をあげて以降、3勝目をあげるまで時間を要したのは、完成まで時間を要したとも言えるが、オープン入りして以降も、勝ちきれないレースが続いていった。

 転機となったのは、デビュー以来、初めての芝2,200mでのレースとなった京都記念(G2)での4着。そして、芝2,500mの目黒記念(G2)で2着に入着と、距離延長が功を奏したこと。そして、デビュー以来、初めてとなるノーザンファーム空港での調整だった。

 「目黒記念(G2)の後に牧場に来たのですが、メトロポリタンSとレース間隔が詰まっていたにも関わらず、馬に疲れが見られなかったのには驚きました。戦歴を振り返っても、デビューからコンスタントにレースを使われてきた馬ですが、改めて清水先生がレースを使いながら馬を強くしてくれたのだと思いました」(木村純一厩舎長)

 しかも2歳時の印象とは違い、背中に跨ってみると、柔軟な動きの中に力強い「芯」が感じられた。

 「こちらでは走りのバランスを整えながら調教を進めていきました。次走も距離の長いところを目指していくと聞いていたので、調教では折り合いも重視していきました」

 G1馬だけでなく、重賞ウィナーもずらりと名を連ねた京都大賞典(G2)。シュヴァリエローズの評価は8番人気でしかなかったが、ハイペースの流れを中団で待機すると、最後の直線では一気に脚を伸ばして、先に抜け出したディープボンドをアタマ差差し切っての勝利。まさにディープインパクト産駒らしい、切れのある末脚を見せた。

 「メンバーも強かっただけに、ここを使ってからかなと思っていましたが、本当に強いレースを見せてくれました。自分が育成厩舎を任されてから、最初に送り出した世代の重賞馬ともなったのも含めて、この勝利には様々な嬉しさがあります」

 ディープインパクト産駒は京都大賞典(G2)を7勝目。しかも、この10年での勝ち鞍であり、改めてこのレースへの適性の高さを感じるが、それでも6歳での初重賞制覇は驚きと言える。一気に本格化した感もあるシュヴァリエローズだが、先日、クラブからは12月8日に香港のシャティン競馬場で行われる香港ヴァーズ(G1)の予備登録を行ったとの発表があった。距離の芝2,400mも願っても無い条件であり、初G1制覇が海外という可能性も十分にありそうだ。