2024年07月18日 ノースクイーンC(GDJ)
優勝馬:ラブラブパイロ
プロフィール
- 生年月日
- 2019年04月27日 05歳
- 性別/毛色
- 牝/栗毛
- 戦績
- 国内:27戦8勝
- 総収得賞金
- 41,865,000円
- 馬主
- 谷 謙介
- 生産者
- 小西ファーム (門別)
- 調教師
- 荒井 朋弘
- 騎手
- 西 啓太
『グランダム・ジャパン2024』古馬秋シーズンの第3戦「ノースクイーンカップ(門別)」は、南関東からの遠征馬ラブラブパイロ(大井)が快勝。スタートはダッシュつかずに後方の位置取りとなったが、向正面で一気にポジションを上げて先頭に並びかけ、最後の直線では内で粘るメイドイットマム、外から追い込んできたサンオークレア、ポルラノーチェらの地元勢を尻目に2馬身差をつけてゴールイン。デビュー27戦目にして待望の重賞初勝利を飾った。
ラブラブパイロの生まれ故郷は、日高町の小西ファーム。場主の小西芳幸さん(89歳)が1963年にアラブ種の生産を始め、時代の移り変わりとともにサラブレッド生産に移行しながら一代で築き上げてきた牧場だ。全盛期は10頭以上の繁殖牝馬を管理し、1998年の王冠賞(旭川)に勝ったリードリズムや、2006年のハイセイコー記念(大井)と2009年のマイルグランプリ(大井)を制したロイヤルボスなどの活躍馬を送り出してきた。残念ながら後継者がおらず、一昨年の12月にすべての繁殖牝馬を手放し、現在は知りあいの生産者に放牧地を貸しているそうだ。
「もともとはこの地で米農家を営んでいたのですが、私の馬好きが高じて競走馬を生産するようになりました。苦労も多かったですが、4年前に亡くなった道営の手島健児調教師などに大変お世話になり、良い思いもたくさんさせていただきました」と話し、応接間に飾られた王冠賞やエーデルワイス賞(G3)の肩掛けを眺める小西さん。
「ラブラブパイロの母ベルモントラヴはクロフネ産駒の芦毛馬で、馬格があって性格もおとなしく、素晴らしい繁殖牝馬でした。毎年きっちりと出産してくれたのですが、4番仔のラブラブパイロを産んでからは牝馬がつづきました」と話す。小西さんのベルモントラヴに対する思い入れは強く、怪我をしないように他の馬たちとは隔離し、広い放牧地に親仔2頭だけで放牧していたそうだ。荒井朋弘調教師(大井)の紹介でオーナーとの縁ができ、ラブラブパイロ以降、5年連続でベルモントラヴの牝馬を購入してもらっているという。
ラブラブパイロの幼少期については、「体が大きかったこと以外、あまり覚えていないんですよね。それだけ順調に育ったんだと思います」と振り返る。2歳9月のデビュー時に456kgだった馬体重は、3年の時を経て500kg近くにまで成長。そのパワフルな馬体とパイロ産駒の負けん気の強さが合致し、今回の重賞勝利につながったような気もする。
2歳時の東京2歳優駿牝馬(大井)、3歳時のロジータ記念(川崎)では大きく差をつけられていたスピーディキックに、昨年末の東京シンデレラマイル(大井)でクビ差まで迫ったラブラブパイロ。同期のスターホースに一矢報いる日が来るか、今後の牝馬重賞戦線を注目していきたい。