重賞ウィナーレポート

2024年09月08日 セントウルS G2

2024年09月08日 中京競馬場 晴 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:トウシンマカオ

プロフィール

生年月日
2019年05月01日 05歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:19戦7勝
総収得賞金
292,669,000円
ビッグアーサー
母 (母父)
ユキノマーメイド  by  スペシャルウィーク
馬主
(株) サトー
生産者
服部 牧場 (静内)
調教師
高柳 瑞樹
騎手
菅原 明良

 サマースプリントシリーズの最終戦であり、スプリンターズS(G1)の前哨戦にも位置付けられている第38回産経賞セントウルS(G2)が9月8日、今年は開催日程の変更により中京競馬場1,200m(良)、18頭立てで行われた。

 優勝馬は5歳牡馬トウシンマカオ(父ビッグアーサー、母ユキノマーメイド、その父スペシャルウィーク)。同馬はここまで18戦して6勝2着1回3着2回。全6勝のうち3勝が芝1,200mの重賞競走。2022、2023年の京阪杯(G3)に勝ち、今年3月の中山競馬場芝1,200mのオーシャンS(G3)も勝っている名スプリンターだが、中京競馬場は4戦して勝ち星がなく鬼門ともいえる競馬場だったが、ファンの期待は強く、単勝オッズ6.4倍の2番人気に支持された。

 レースでは1番人気ピューロマジックが大逃げをうつなか、中団よりやや後方の外を進み、4コーナーでは一頭だけ違った脚で先頭集団へとりつき、直線ではママコチャをあっという間に交わして優勝した。苦手の競馬場を克服して10月のスプリンターズS(G1)に向け視界良好となった。

 同馬を生産したのは新ひだか町の服部牧場。

 同牧場は1959年(昭和34年)創業の日高の老舗牧場。これまで1996年にイシノサンデーで、そして2016年にはディーマジェスティで皐月賞(G1)を2度優勝している。現在は3代目となる服部健太郎代表のもと、新ひだか町神森の本場と新冠町西泊津の分場とで生産を行っている。繁殖牝馬は33頭。毎年およそ20頭を超えるサラブレッドを生産する中規模牧場で、そのモットーは「環境と舞台にも動じない心身ともに丈夫な馬づくり」を掲げている。服部健太郎氏は今回の勝利についてこう語った。

 「レース当日はアメリカに出張中で、実況は見られませんでしたので、電波の良い場所をみつけてレース後にようやく勝利した瞬間を観ることができました。安心して見ていられましたし、強いレースだったと思います」と白い歯をこぼした。

 母のユキノマーメイドは今年21歳。14年連続で仔馬を産んでいる牧場孝行の繁殖牝馬だ。「本当に頭が下がります。今年生まれた仔も、昨年の1歳も父はトウシンマカオと同じビッグアーサーです。両馬とも牝馬ですが、トウシンマカオの当歳時より馬格もあって良い馬で期待しています。トウシンマカオの幼少時はスペシャルウィークのように脚が長く、バランスは良かったのですが、どちらかというと“馬体は大きいけどスラっとした感じでした。まさか短距離戦でこうも活躍するとは思っていませんでした。成長するにつれて馬がどんどん変化していったのです」と述べ「苦手コースを克服してくれたことで、一層嬉しいです。追い込み系の末脚勝負のタイプですから、スプリンターズS(G1)はぜひ良馬場で走って欲しいと思います。昨年は熱発して同レースを回避してしまったので、今年はその分も頑張って欲しいと思います」とエールを送り「父は自分が勤める(株)ジェイエスで管理する種牡馬ビッグアーサーですので、なお力が入りますが、まずは無事に出走して欲しいです」と期待に胸を膨らませている。