2024年08月11日 小倉記念 G3
優勝馬:リフレーミング
プロフィール
- 生年月日
- 2018年03月19日 06歳
- 性別/毛色
- 牡/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:29戦6勝
- 総収得賞金
- 191,485,000円
- 父
- キングヘイロー
- 母 (母父)
- ヒーリング by バトルプラン(USA)
- 馬主
- 栗山 学
- 生産者
- 橋本牧場 (静内)
- 調教師
- 鮫島 一歩
- 騎手
- 川田 将雅
JRAサマーシリーズ第3戦「第60回小倉記念(G3)」は8月11日、中京競馬場芝2,000m(良)12頭立てで行われ、6歳牡馬リフレーミング(父キングヘイロー、母ヒーリング)が後方5番手から、中京馬場の長い直線ゴール前4頭の激しい叩き合いを制して優勝。勝ちタイムの1分56秒5は、2022年金鯱賞(G2)でジャックドールが記録した1分57秒2を0秒7上回るコースレコードとなった。鮫島一歩調教師のJRA重賞勝利は2021年京都ハイジャンプ(JG2)(優勝馬マーニ)以来で通算26勝目。手綱を取った川田騎手の重賞勝利は今年のNHKマイルC (G1)(優勝馬ジャンタルマンタル)以来で今年7勝目、通算137勝目となった。
生産者は新ひだか町の(有)橋本牧場。同牧場は1929(昭和4年)に静内町の中心街に創設され、現在の橋本博代表が四代目。今から15~6年前に現在の新ひだか町豊畑の地に移設し、創業の地は分場となっている。毎年10~13頭を生産する牧場である。生産馬はこれまで2003年のNHKマイルC(G1)を制したウインクリューガーや2011年天皇賞(春)(G1)を勝ったヒルノダムールほか、1993年には生産馬マルブツサンキストが小倉記念(G3)を優勝しており、リフレーミングで同レース2勝目となった。リフレーミングはここまで28戦して5勝。今年2月の中山競馬場芝2,000m3勝クラスの湾岸Sを優勝してオープン入り。4月の福島民報杯では直線大外から豪快に差し切り5勝目をあげている。その後、5月の新潟大賞典(G3)、7月の福島競馬場七夕賞(G3)をともに5着と健闘し、この小倉記念(G3)ではオッズ単勝4.2倍の1番人気に支持されていた。
今回の勝利を牧場テレビで観戦していたという橋本博代表は「鮫島一歩調教師が今回にかける意気込みが普段以上だったのは見聞きしていましたが、それは馬の調子が良かったからだと思います。確固たる中心馬になりそうな馬が見当たらず、人気が割れるだろうなと思っていましたので、1番人気はさほど気にならなかったです」と冷静にレース時刻を迎えたそうだ。
開幕週とあって、逃げ先行馬が飛ばす展開となった。「リフレーミングは後方から行く馬ですから、前が飛ばしてくれるのは好都合だと思いましたが、1分56秒5という破格の時計は、いくら開幕週の芝の状態が良いとはいえ驚きました。重賞レースで1番人気に支持されてレコードで勝ってくれるとは、うれしい限りです」と、ほくそ笑んだ。
リフレーミングの母ヒーリングは栗山オーナーの所有馬だそうだ。その母キャットニップを栗山良子さんがJRAブリーズアップセールで購入したところから栗山家とこの血統が結びつく。
「リフレーミングは生まれたときから丈夫で怪我もなく、手がかからないため、同期のなかでも、むしろ目立たないような存在でした」と振り返る。実は、2019年サマーセールにも上場されているが、結果は主取り。結局、栗山オーナーの所有で走らせることになったそうだ。
「29戦して掲示板を外したのは4戦だけと本当に堅実な馬ですが、デビューから5歳までは、ごく普通の馬だったのに年を経るごとに強くなってJRA重賞を勝つ。競馬も馬づくりも、まったく分からないことばかりですね」と白い歯を見せた。
馬名リフレーミングとは、心理学用語。物事の“枠組み”をいったん取り除いて、違った視点から対象を捉えることを指す。心理療法などにもこの考え方が用いられるという。
遅咲きの6歳馬がJRA重賞競走初優勝を遂げた。すでに1億9,000万円を超える賞金を獲得しているリフレーミングが、ますます馬主孝行であり続けることを期待したい。