重賞ウィナーレポート

2024年08月04日 レパードS G3

2024年08月04日 新潟競馬場 晴 良 ダ 1800m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ミッキーファイト

プロフィール

生年月日
2021年05月05日 03歳
性別/毛色
牡/栗毛
戦績
国内:4戦3勝
総収得賞金
86,415,000円
ドレフォン(USA)
母 (母父)
スペシャルグルーヴ  by  スペシャルウィーク
馬主
野田 みづき
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
田中 博康
騎手
戸崎 圭太

 今年から始まったダート三冠戦線に合わせるかのように、地方や中央だけでなく、世界のG1レースを沸かす馬も現れている現3歳世代。そこにもう一頭、レパードS(G3)を快勝したミッキーファイトが名乗りをあげた。

 半兄には中京記念(G3)の勝ち馬であるグルーヴィット、そしてチャンピオンズカップ(G1)を制したジュンライトボルトもいる血統馬であるが、ノーザンファーム空港の高見優也厩舎長は、ミッキーファイトだけでなく、グルーヴィットの騎乗育成も行ってきた。

 「ドレフォン産駒らしいというのか、しっかりとした動きをしており、同じ時期の兄よりも力強さを感じていました。フレームは細身ではあったものの、馬体のバランスは良かったです」(高見厩舎長)

 ジュンライトボルトの育成は手掛けて無かったものの、同じノーザンファーム空港の育成馬ということもあって、幾度となくその姿を見て来ていた。

 「兄もしっかりとしていた印象がありました。ただ、ミッキーファイトはそこまでダートぽくないというのか、ひょっとしたら芝でも十分に戦えるではとも思っていました」

 他の馬よりはじっくりと育てられたミッキーファイトであるが、それでも2歳の10月にデビューを果たす。その条件は東京のダート1,600mだった。

 雨が降りしきる不良馬場の中で行われたレースは、残り1ハロンでセントラルヴァレーが先頭に躍り出る。セーフティリードを保ったかと思いきや、ゴール前で突然外へと逃避。その後ろから突っ込んできたミッキーファイトであったが、難なく交わして先頭でゴール板を通過した。

 「前をカットされた時にはビックリしましたが、結果的にはラッキーだなとも思いました。ただ、2戦目の内容が強かっただけに、ダートでいいところまで行けるのではと思うようになりました」

 デビュー2戦目の鮮やかな勝ち方が評価されて、1番人気を集めたユニコーンS(G3)であったが、内枠のスタートがあだとなったかのように、最後の直線では前が壁となり、先に抜け出したラムジェットを捉え切れずに3着に敗れてしまう。

 ただ、2着馬のサトノエピックと共に東京ダービー(Jpn1)に出走すると、結果はユニコーンS(G3)の再現のようにラムジェットが1着で、サトノエピックが2着。不利こそあったとは言えども、結果的にはハイレベルなレースでもあった。

 その時の巻き返しを図るべくして臨んだレパードS(G3)でも、ミッキーファイトは1番人気の支持を集める。今回は最内枠からのレースとなったが、道中では前目の外に進路を向けていく。ゴール前では先に抜け出したサトノフェニックスを目標に据えると、図ったかのようにゴール前で鮮やかに交わしさった。

 「戸崎騎手も前回は窮屈なレースとなってしまったのを考慮してか、馬群の外を上手く走らせてくれました。重賞勝ちもさることながら、ユニコーンS(G3)のメンバーを始めとして、上のクラスで戦ってきたメンバーたちと、ジャパンダートクラシック(Jpn1)で戦える権利を得たのは嬉しかったですね」

 そのジャパンダートクラシック(Jpn1)には東京ダービー(Jpn1)の勝ち馬ラムジェットに加えて、昨年のJBC2歳優駿(Jpn3)と全日本2歳優駿(Jpn1)の勝ち馬で、今年のサウジダービー(G3)とUAEダービー(G2)も制して、デビューからの連勝を5に伸ばしていき海外のレースでも連勝を延ばしたフォーエバーヤングも出走。

 フォーエバーヤングは続くケンタッキーダービー(G1)でも、勝ち馬と差の無い3着となっており、国内では久しぶりのレースとなるジャパンダートクラシック(Jpn1)では、ワールドクラスの走りに注目が集まる。また、京浜盃(Jpn2)を制した後に右膝の骨折が判明して、羽田盃(Jpn1)は見送ったものの、復帰戦となる戸塚記念を快勝したサントノーレも出走を予定している。

 「ミッキーファイトはきょうだいの活躍からしても、成長力のある血統であることが証明されています。強いメンバーが相手となりますが、どんなレースをしてくれるか楽しみです」と話す高見厩舎長。これまでの走りを見ても、まだ底を見せた感はないスケールの大きさもある。3歳ダート三冠の最終戦であるジャパンダートクラシック(Jpn1)を制して、一気にこの世代の「砂の王者」となってしまうのかもしれない。