重賞ウィナーレポート

2024年06月30日 北九州記念 G3

2024年06月30日 小倉競馬場 曇 稍重 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ピューロマジック

プロフィール

生年月日
2021年02月18日 03歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:9戦4勝
総収得賞金
110,410,000円
アジアエクスプレス(USA)
母 (母父)
メジェルダ  by  ディープインパクト
馬主
(株) スリーエイチレーシング
生産者
村田牧場 (新冠)
調教師
安田 翔伍
騎手
松山 弘平

 サマースプリントシリーズ第2戦「テレビ西日本賞北九州記念(G3)」は、開催日割りの関係もあって例年よりも2か月ほど早い6月30日に、小倉競馬場芝1,200mコースを舞台に行われ、新冠町の村田牧場生産でセレクションセール取引馬の3歳牝馬ピューロマジックが抜群のダッシュでハナに立つと、そのまま先頭を譲らず1分7秒9の好タイムで逃げ切り勝ち。葵S(G3)に続いて重賞2連勝で通算成績を9戦4勝2着2回3着1回とした。手綱を取った松山弘平騎手のJRA重賞勝利は今年の平安S(G3)(優勝馬ミトノオー)に続くもので今年4勝目、通算45勝目。管理調教師の安田翔伍調教師の重賞勝利は、今年の日本ダービー(G1)(優勝馬ダノンデサイル)に続くJRA重賞勝利で今年4勝目、通算11勝目となった。

 生産した村田牧場は昭和5年創設という老舗牧場。現在は新冠町高江の繁殖本場ほか3か所の分場を使い、生産から中期育成まで年間約25頭前後を生産しており、近年ではその中からローレルゲレイロ(09年最優秀短距離馬)やディープボンド(20年京都新聞杯(G2)など重賞4勝)、ノースブリッジ(23年アメリカジョッキーCC(G2)など重賞2勝)モズベッロ(20年日経新春杯(G2))などの活躍馬を送り出している。

 この日、牧場テレビを通して愛馬に声援を送っていたという村田洋幸代表は「マーガレットSも、葵S(G3)も強い内容でしたので期待を込めて見守っていましたが、53kgの斤量とはいえ歴戦の古馬を相手に前半32秒3というスピードで圧倒するのですから驚きました。ゲートは普通だと思うのですが、二の脚が速く、並ばれそうになりながらも、そこからしぶといのがこの馬の良いところ。素直に嬉しいです」と胸をなでおろしている。

 「父(村田繁實氏)が4代母となるカスパースカイゴールドを1996年のキーンランド繁殖セールで購入したのがきっかけです。カナダの年度代表馬となったピートスキーの半妹という血統で、代を経てもスピードが失われず、堅実。当牧場では30年間にわたって大切にしているファミリーです。今回の北九州記念(G3)も全兄メディーヴァルと2頭出しとなりましたが、ようやくピューロマジックで重賞タイトルを取ることができました。地元のみんなで応援しているアジアエクスプレスの仔で重賞2連勝というのも良かったと思います」と白い歯を見せた。

 母メジェルダも同牧場生産馬で、2015年ファンタジーS(G3)2着馬。阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)にも駒を進めたが、その後は思うような成績を上げることができずに4歳春に引退。その年から繁殖牝馬としての生活をスタートさせて、前出メディーヴァルと、6月2日に東京競馬場で行われたJRAウルトラプレミアムタイキシャトルカップに勝ったバグラダスと本馬。初仔から3頭連続でオープン馬輩出という離れ業をやってのけた。

 「バグラダスは牧場でケガをさせてしまい、今もその傷跡が残っていますが、頑張ってくれています。ピューロマジックは分場で生まれ育った馬で、直接は携わっていないのですが、きれいな馬という印象があります。セレクションセールでも高い評価をいただき、そしてその評価に応えてくれたことが嬉しい。こうなれば、ピューロマジックにはローレルゲレイロを超えるような活躍を期待したいですね」と夢を広げている。