重賞ウィナーレポート

2024年06月01日 鳴尾記念 G3

2024年06月01日 京都競馬場 晴 良 芝 2000m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ヨーホーレイク

プロフィール

生年月日
2018年03月19日 06歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:10戦4勝
総収得賞金
191,359,000円
ディープインパクト
母 (母父)
クロウキャニオン  by  フレンチデピュティ(USA)
馬主
金子真人ホールディングス (株)
生産者
ノーザンファーム (安平)
調教師
友道 康夫
騎手
岩田 望来

 4歳時の日経新春杯(G2)の以来、実に約2年4か月ぶりとなる重賞制覇を果たしたヨーホーレイク。初重賞制覇となった日経新春杯(G2)の後に判明した屈腱炎の症状は重く、今年の金鯱賞(G2)まで実に2年2か月もの休養を余儀なくされた。

 この時、復帰までの手助けを行っていったのが、ノーザンファームB0厩舎のスタッフたち。齋藤嘉隆厩舎長はリハビリ期間を終えて、育成厩舎へとやってきた当時を振り返る。

 「こちらに来た頃でも腫れだけでなく、熱も残っていました。症状を見た時にはどうしようかと思いましたが、場長や獣医師とも相談の上、より慎重に調教を進めていくことになりました」(齋藤厩舎長)

 基本的な調教はトレッドミルを中心に、その中でゆっくりとしたペースで坂路調教も取り入れていった。

 「能力のあるのは背中からも伝わってきました。そして、ヨーホーレイクの能力を誰よりも評価していた金子オーナーや、友道先生からも、十分な時間をいただいていたのも、何とか復帰させたいという思いへと繋がっていきました」

 それでも調教のペースを上げると、患部は悲鳴をあげるかのように熱を持った。まさに一進一退の管理が続く。その間にヨーホーレイクよりはるかに若い育成馬たちは、初期馴致を終えたかと思えば、その次の春には本州へと旅立っていった。

 「厩舎では1年ほどは管理させてもらったと思います。それだけの長い期間を一緒に過ごしただけに、ただ復帰させるだけでなく、重賞でも活躍する姿を見てみたいと思うようにもなりました」

 坂路での調教がメインとなっていったのは昨年の4月からとなり、次の月からは坂路を2本駆け上がれるようになっていた。太りやすい体質だったこともあり、飼養管理にも気を使った。その中でようやく入厩の目処が立つようになっていく。

 「牧場から送り出したのは昨年の10月となります。その後、ノーザンファームしがらきを経て入厩となりました。まだ患部には腫れが残っている状態ながらも、向こうでは状態がいいとのコメントが返ってきたので、無事に復帰できるのではと期待が一層膨らみました」

 復帰戦となった金鯱賞(G2)では6番人気ながら3着に入着。続く新潟大賞典(G3)でも3着と、改めて能力の高さを示してみせた。

 「金鯱賞(G2)はよくやったとの思いがあった一方で、脚元は大丈夫だったかと心配にもなりました。それは新潟大賞典(G3)の後も一緒であり、大丈夫だったとの報告を聞くたびにホッとしていました」

 新潟大賞典(G3)の後、陣営は約1か月の期間をおいて、鳴尾記念(G3)への出走を選択する。それはヨーホーレイクの脚元がこのローテーションでも耐えうるという判断であり、その期待に応えるかのように、ヨーホーレイクは最後の直線を力強く抜け出してきた。

 「能力は重賞でも勝ち負けができる馬だとは思っていましたが、ゴールの瞬間は感動しました。復帰への手助けができて本当に良かったと思いますし、金子オーナーや友道先生といった関係者の皆さんだけでなく、ヨーホーレイクの復活を待って行ったファンの方にも、勝利を届けられて良かったです」と笑顔を見せる齋藤厩舎長。次走は毎日王冠(G2)に出走を予定。ここで勝ち負けのレースを見せてくれるようだと、悲願かつ、感動のG1制覇は現実となっていきそうだ。