重賞ウィナーレポート

2024年05月25日 葵S G3

2024年05月25日 京都競馬場 晴 良 芝 1200m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ピューロマジック

プロフィール

生年月日
2021年02月18日 03歳
性別/毛色
牝/鹿毛
戦績
国内:8戦3勝
総収得賞金
110,410,000円
アジアエクスプレス(USA)
母 (母父)
メジェルダ  by  ディープインパクト
馬主
(株) スリーエイチレーシング
生産者
村田牧場 (新冠)
調教師
安田 翔伍
騎手
横山 和生

 長くオープン特別として親しまれていたレースで2018年から重賞競走に格上げされ、2022年からはG3格付けを得た「第7回葵S(G3)」が25日、京都競馬場芝1,200mで行われた。勝ったのは、新冠町の村田牧場生産で、北海道市場セレクションセール取引馬ピューロマジック。ややつまずきながらも抜群のダッシュ力を武器にレースを引っ張り、そのまま後続の追撃を寄せつけず1分7秒1のレースレコードタイで優勝した、横山和生騎手の重賞勝利は2024年大阪杯(G1)(優勝馬ベラジオオペラ)に続くもので今年2勝目で、通算16勝目。安田翔伍調教師にとっては2024年京成杯(G3)(優勝馬ダノンデサイル)に続くもので今年2勝目、通算9勝目。

 同馬の生まれ故郷は新冠町の村田牧場。昭和5年(1930年)創業という老舗牧場で、これまでローレルゲレイロ(JRA賞最優秀短距離馬)や南関東三冠牝馬チャームアスリープ、桜花賞(G1)2着、オークス(G1)2着ユキノビジンなどの活躍馬を送り出しており、現在は繁殖本場、繁殖分場、高江1歳分場そして高江第2分場と計4か所を使い、約30頭の繁殖牝馬から毎年25頭前後の競走馬を生産している。

 JRA重賞勝利は昨年1月のアメリカJCC(G2)(優勝馬ノースブリッジ)以来で、この勝利によって同牧場生産馬は5年連続の重賞勝利となった。

 この日、京都競馬場で愛馬優勝の瞬間に立ちあったのは村田康彰専務。「人気はありませんでした(8番人気)が、重馬場で行われた前走マーガレットSの内容が良かったので、良馬場であれば、という思いで応援に行きました。血統から重馬場、あるいはダートの方が良いのではという声もありましたが、生産者としてはデビューからの走りを見ていて期待も込めて芝の、良馬場の方が持ち味が生かされるのではないかとも思っていました。勝つことができて、嬉しいです」と相好を崩した。

 「牧場時代からヘニーヒューズ系らしい筋肉質の馬体の持ち主で、あまり無駄肉がつかず、引き締まった馬。繋も短めではあるのですが、強靭なばねを感じさせるもので、自信をもってセレクションセール上場させた馬です」と村田専務。その期待に応えるように同セールでは(株)スリーエイチレーシングによって29,700,000円(税込み)で落札されている。

 母メジェルダも村田牧場生産馬。2015年ファンタジーS(G3)の2着馬だが、繁殖牝馬としては本馬と、その全兄メジェルダ、マジェスティックウォリアーを父に持つ半兄バグラダスと初仔から3頭連続でオープン馬を送り出したことになる。さかのぼれば1990年代後半に米国キーンランド社の繁殖セールで買い求めたカスパースカイゴールドを祖とするファミリーで、長く村田牧場で育てられてきた。村田専務は「ディープインパクト産駒のメジェルダには競走馬としても、繁殖牝馬としても頭が下がる思いですが、当牧場にとってアジアエクスプレスはとても相性が良い種牡馬なのです」と笑顔。ピューロマジックと、その全兄メディーヴァル、そしてドンアミティエと3頭のオープン馬が村田牧場から送り出されている。

 「次走は北九州記念(G3)と聞いています。ハンデ戦ですから斤量はわかりませんが、逃げ、先行馬にとって相性の良いコース。スタートを決めて、悔いのないレースを期待したいと思います」とエールを送っている。