重賞ウィナーレポート

2024年05月26日 目黒記念 G2

2024年05月26日 東京競馬場 晴 良 芝 2500m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:シュトルーヴェ

プロフィール

生年月日
2019年04月21日 05歳
性別/毛色
せん/黒鹿毛
戦績
国内:12戦6勝
総収得賞金
192,450,000円
キングカメハメハ
母 (母父)
アンチュラス  by  ディープインパクト
馬主
村木 克子
生産者
追分ファーム (安平)
調教師
堀 宣行
騎手
J.モレイラ

 7万1,868人のファンが東京競馬場に足を運んだ、日本ダービー(G1)当日。その熱狂も冷めやらぬ中で行われた目黒記念(G2)を制したのは、追分ファーム生産馬のシュトルーヴェだった。

 同馬の育成を手掛けたのは追分ファームリリーバレーとなる。松島慧調教スタッフは前走に続き、TV画面の向こうから声援を送っていた。

 「重賞で1番人気の支持を集められたことを光栄に思っていました。また、近走の内容を見ても、その人気に応えられるだけのレースができると思っていました」(松島スタッフ)

 1,000m通過は1分1秒9というスローペース。末脚を武器とするシュトルーヴェは後方3番手からレースを進めていく。馬群は密集するも、隊列はほぼ変わることなく迎えた最後の直線、シュトルーヴェは鞍上のモレイラ騎手の仕掛けに反応すると、外へ進路を向けていく。

 「ゆったりとしたペースになりましたが、その中でもリラックスして走れていると思いました。また、モレイラ騎手が鞍上だったので、何とかしてくれるだろうと信じていました」

 残り1ハロン過ぎでも馬群が凝縮したままの大混戦。その中から抜け出しを図ろうとした、サトノグランツと並び、このレースでは2番目に重い58.5kgのハンデを課されていたシュトルーヴェであったが、脚色の違いとばかりに、外から鮮やかに抜け出していく。

 上がり3ハロンはメンバー中最速の32秒9。2着のシュヴァリエローズとの着差はクビ差ながらも、脚色の違いは歴然としており、改めて1番人気の評価が正しかったことを証明した。

 これで騙馬となってから、重賞連勝を含む3連勝。そのレース内容について松島スタッフは、

 「以前よりも落ち着きが出てきていますし、そこの年齢的な面もあって、馬も完成に近づいているのだと思います」と成長の跡を認める。次走は宝塚記念(G1)となったが、過去64回で騙馬が優勝した例はなく、グレード制導入後(84年以降)でも、14年のカレンミロティックと、18年のワーザーの2着が最高順位となっている。

 「これまでよりもメンバーは強くなりますが、今回のパフォーマンスからしても、宝塚記念(G1)でどんなレースを見せてくれるかも楽しみです」と松島スタッフ。夏の上がり馬ならぬ、「春の上がり馬」とも言えるシュトルーヴェならば、「騙馬の宝塚記念(G1)優勝」という史上初の快挙も十分にありえそうだ。