重賞ウィナーレポート

2024年05月12日 ヴィクトリアマイル G1

2024年05月12日 東京競馬場 曇 良 芝 1600m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:テンハッピーローズ

プロフィール

生年月日
2018年02月26日 06歳
性別/毛色
牝/栗毛
戦績
国内:24戦6勝
総収得賞金
268,853,000円
エピファネイア
母 (母父)
フェータルローズ  by  タニノギムレット
馬主
天白 泰司
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
高柳 大輔
騎手
津村 明秀

 今年も盛況に終わった千葉サラブレッドセール。その歴史の中で唯一、新型コロナウイルス感染拡大防止を考慮する形で開催が中止され、楽天サラブレッドオークションでの上場が行われたのが2020年である。

 この時は58頭が落札され、総売上額も9億46万円と言う活況となったが、この時に2,244万円(税込み)で落札されていたのがフェータルローズの18こと、後のテンハッピーローズだった。

 「コロナ禍で千葉サラブレッドセールの現地開催が中止となったのを受けて、オンラインセールでの取引となりましたが、その時に本馬を落札していただいたのが、天白(泰司)オーナーでした」と話すのは社台ファームの正岡稔牝馬調教主任。育成時から馬体のサイズにしては大きな臀部の作りをしており、正岡調教主任も将来を嘱望していた馬でもあった。

 2歳トレーニングセール出身馬らしい仕上がりの良さで、2歳8月のメイクデビュー小倉を優勝したテンハッピーローズは、3歳時に2勝、4歳時と5歳時に1勝と成長力の高さも示していく。その一方で重賞では勝ちきれないレースも続いており、初のG1挑戦となったヴィクトリアマイル(G1)も15頭中の14番人気でしかなかった。

 1,000メートル通過は56秒8というハイペース。その激しい流れを中団からレースを進めたテンハッピーローズは、馬群の外へと進路を向ける。すると、これまで重賞を勝ってなかったことが信じられない程の末脚を使い、残り1ハロン過ぎで先頭へと躍り出る。

 その末脚は衰えることなく、2着のフィアスプライドに1馬身1/4差をつけての勝利。単勝のオッズの208.6倍は、G1史上4位となる高配当であり、3連単も916,640円。また、この日のWIN5の配当も、史上4位となる4億4,605万7,430円の高配当となった。

 「ゴールの瞬間は、ただただ感動しました。6歳のこの時期まで繁殖入りさせることなく、レースを続ける選択をしてくれた天白オーナーの思いが最高の結果をもたらしました。これが初めてのG1勝利となった、津村(明秀)騎手の涙にも胸を打たれました」(正岡調教主任)

 6月11日には管理をする高柳大輔調教師から、この秋は国内で1戦を使った後、米G1BCマイル(G1)を目標とすることが発表された。鞍上も津村騎手とのコンビが継続されることとなっただけに、アメリカでもあっと言わせるようなレースを見せてもらいたい。