2024年03月23日 日経賞 G2
優勝馬:シュトルーヴェ
プロフィール
- 生年月日
- 2019年04月21日 05歳
- 性別/毛色
- せん/黒鹿毛
- 戦績
- 国内:11戦5勝
- 総収得賞金
- 192,450,000円
- 馬主
- 村木 克子
- 生産者
- 追分ファーム (安平)
- 調教師
- 堀 宣行
- 騎手
- 鮫島 克駿
1953年に「日本経済賞」として創設。1979年からは現在の名称である日経賞に変更されて以降、今年まで72年の歴史を辿ってきた歴史のあるレースで、追分ファームの生産馬であるシュトルーヴェが、史上初めての騙馬の優勝馬となった。
「騙馬となったことが示しているように、牧場時代からやんちゃな馬でした。ただ、走りには柔軟さもあっただけに、時間をかければ大きなレースでも活躍してくれるのではないかと思っていました」と話すのは、騎乗育成に携わってきた、追分ファームリリーバレーの松島慧調教スタッフ。初勝利をあげたのはデビュー3戦目となる3歳未勝利戦となったが、3歳1勝クラス、尾張特別(2勝クラス)を連勝していく。ただ、3勝クラスでは2着が2回と足踏みをしただけでなく、日本海Sで7着に敗れた後には去勢手術を行う。
それから5か月後のJCベストレース記念(3勝クラス)に臨んできたシュトルーヴェは、去勢の効果もあったのか折り合いの付いた走りを見せていく。直線ではため込んだ末脚を爆発させると、メンバー中最速の上がりを使って勝利。初重賞挑戦となる日経賞(G2)では4番人気の支持を集めていた。
「入厩してからは、堀厩舎と山元トレーニングセンターで管理をしてもらいました。気性の難しさはあったかと思いますが、いい状態でレースに臨ませてくれただけでなく、去勢をした効果がJCベストレース記念における集中力のある走りにも表れていたと思います」(松島調教スタッフ)
その松島調教スタッフが勝ち負けのレースとなると見込んでいた日経賞(G2)には、ボッケリーニ、ヒートオンビート、マテンロウレオと重賞勝ち馬だけでなく、重賞の連対馬も名を連ねていた。
レースはそのマテンロウレオが大逃げを打つ展開となったが、シュトルーヴェは後方で脚を溜めていくと、第3コーナーからポジションを上げていく。直線では前が壁となるも、残り1ハロン過ぎからは一気の瞬発力でゴール板まで駆け抜けていった。
「脚を使って抜け出そうとしていた時には、勝ち負けになると思っていました。この血統は母(アンチュラス)だけでなく、兄(アンティシペイト)と重賞勝ちまであと一歩まで来ていただけに、タイトルを授けられたのは嬉しかったです」
注目の次走は目黒記念(G2)に決定。東京芝コースは3戦2勝、2着1回と安定した成績を残しているだけに、次は人気の中心となりそうだ。
「距離の不安を感じさせない走りを見せているだけに、今後も芝の中長距離重賞を沸かせてもらいたいです」と松島調教スタッフ。日本ダービー(G1)の熱気が場内に残る中で行われる目黒記念(G2)だが、更に東京競馬場を熱くさせるような走りを期待したい。