重賞ウィナーレポート

2024年02月17日 京都牝馬S G3

2024年02月17日 京都競馬場 晴 良 芝 1400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ソーダズリング

プロフィール

生年月日
2020年03月30日 04歳
性別/毛色
牝/黒鹿毛
戦績
国内:8戦3勝
総収得賞金
92,017,000円
ハーツクライ
母 (母父)
ソーマジック  by  シンボリクリスエス(USA)
馬主
(有) 社台レースホース
生産者
社台ファーム (千歳)
調教師
音無 秀孝
騎手
武 豊

 配合種牡馬を選ぶことなく、誕生させた産駒たち(マジックキャッスル…愛知杯(G3))、ソーヴァリアント…チャレンジC(G3)を2勝)が重賞戦線で活躍しているソーマジックは、名繁殖牝馬と呼ぶに相応しいと言える。

 その母に3頭目の重賞タイトルと、鞍上の武豊騎手には38年連続のJRA重賞勝利を授けたのが、今年の京都牝馬S(G3)を制したソーダズリングである。

 「早期デビューを果たしている兄や姉と比較すると、成長曲線が緩やかな印象がありました。管理をする音無調教師とも相談の上、馬の成長に合わせてゆっくり作っていく方針を確認していました」と話すのは社台ファームの藤原伸一郎厩舎長。騎乗育成時は筋肉痛や蹄の不安などもあり、思うように調教を行えない時期もあったが、それでも騎乗したスタッフからは乗り味の良さを高く評価されていた。

 「自分が初めてソーダズリングに乗った時の話となりますが、背中の感触が素晴らしいと思いました。その感覚を信じて、身体の成長が乗り味に噛み合ってくるまで、焦ることなく待ち続けました」(藤原厩舎長)

 3歳の2月にデビューを果たしたソーダズリングは、2戦目の3歳未勝利戦を快勝する。そのレース内容も評価される形で、初の重賞挑戦となるフローラS(G2)は1番人気の支持を集めるも、逃げたゴールデンハインドを捉えられずに2着に敗退する。

 その後もオークス(G1)やローズS(G2)、そしてターコイズS(G3)と重賞の壁を乗り越えられずにいたが、ここで陣営は思い切った決断に出る。坂路調教でも好時計を記録するほどに行きっぷりの良かったソーダズリングを、初めての芝1400mの距離となる、京都牝馬S(G3)への出走を決断したのだ。

 その効果ははっきりと表れた。芝の短距離戦らしく、1000m通過が57秒4というハイペースとなる中、折り合いを付けながら中団からレースを進めると、最後の直線では横一線の中から抜け出しを図り、後方から迫ってきたナムラクレアの追撃もクビ差振り切った。

 「武豊騎手と音無先生、そして音無厩舎の皆さんには、距離を含めて能力発揮の場を見極めてもらったことが、会心の勝利となりました。この馬はまだまだこれからだと思いますし、今後の更なる活躍も楽しみになります」と藤原厩舎長。次走は更に距離を一ハロン短縮して、高松宮記念(G1)を視野に入れながら調整を行っていくが、そこで母に繁殖牝馬としては初めてとなる、G1タイトルを授けることになるのかもしれない。