重賞ウィナーレポート

2024年01月14日 日経新春杯 G2

2024年01月14日 京都競馬場 晴 良 芝 2400m このレースの詳細データをJBIS-Searchで見る

優勝馬:ブローザホーン

プロフィール

生年月日
2019年05月10日 05歳
性別/毛色
牡/鹿毛
戦績
国内:18戦6勝
総収得賞金
173,563,000円
エピファネイア
母 (母父)
オートクレール  by  デュランダル
馬主
岡田 牧雄
生産者
岡田スタツド (静内)
調教師
中野 栄治
騎手
菅原 明良

 4年ぶりに京都競馬場に舞台を戻した第71回日経新春杯(G2)が1月14日に行われ、前半は中団に位置した菅原明良騎手騎乗の1番人気ブローザホーンが坂の下りを利して押し上げ、最後の直線は外から力強く伸びて2着サヴォーナに1馬身差をつけて期待に応えている。菅原明良騎手は23年京阪杯(G3)以来の重賞勝利で通算9勝目。今年3月での勇退が決まっている中野栄治調教師は19年函館スプリントS(G3)(カイザーメランジェ以来の重賞勝利で通算8勝目となった。

 ブローザホーンの生まれ故郷は新ひだか町の岡田スタッド。生産、育成、調教、休養などを手掛ける総合牧場で、1972年創業。代表を務めるテレビや雑誌などでも活躍している岡田牧雄さんに話を聞いた。

 「レースはテレビで見ていました。昨秋の京都大賞典(G2)では心房細動を発症したために応援してくれたファンの方々にご迷惑をかけてしまいましたが、幸い、症状は重いものではなく有馬記念(G1)にも登録したほどです。優先順位の関係で出走はできませんでしたので、その後はこのレースを目標に切り替えました」と話し「いろいろな思い出がある馬だけにこうして結果を出してくれて嬉しいです」と白い歯を見せた。

 「北海道市場トレーニングセールで購入したオートクレールの初仔です。お母さんも小柄な馬でしたが、全身バネといった雰囲気を持った馬。フォーティナイナーの肌にデュランダルという血統でしたからバリバリのスプリンターかと思ったら、マイルくらいまで我慢してくれました」と懐かしむ。2歳秋にデビューしたオートクレールは、その初戦で2着したものの勝ち上がるまでに13戦。しかし、その後は7歳春まで2度の休養はあるもののほぼ休みなく使われて50戦。最終的には4勝を記録し、6歳春にはヴィクトリアマイル(G1)にまで駒を進めた馬だった。

 「その初仔ということもあって、ブローザホーンも小さな馬でした。小さかったからあまり無理はさせなかった馬ですが、トレーニングを始めてもあまり汗もかかず、心肺機能は1世代上のタイトルホルダー並みに凄かったことが印象に残っています。キツい調教をしてもケロっとしていましたので『よい長距離馬になるなぁ』とスタッフと話をしていた馬です」という。

 しかし、母同様に初勝利まで9戦。「皐月賞(G1)も、日本ダービー(G1)も終わったあと」と苦笑い。しかし、その初勝利をきっかけにその後はほぼノンストップでオープンまで駆け上がり、18戦目で重賞ウィナーに輝いている。

 「母よりもさらに小柄な馬ですが、まだまだ成長の余地を残していると思っています。タイトルホルダーが引退して寂しい思いをするかと思いましたが、こうして次の馬が出てくれたことも嬉しいです」と相好を崩した。